日中は暑い日も多くなりましたが、緑が美しく爽やかな季節を感じます。本日の友達の輪はカイダ接骨院副院長の会田浩章さんよりご紹介いただいた「ペンション萌実の季(もみのき)」オーナーの榎本季一(すえかず)さんです。榎本さんは裏磐梯でペンションを経営されており幸手には時々戻ってこられます。
ペンション 萌実の季
オーナー 榎本 季一さん
本紙取材 高木 康夫
【高木】はじめまして。会田さんとは中学校の同級生で同じ柔道部だったと伺っておりますが。
【榎本(敬称略)】彼は柔道一家で、現在も活躍中ですが、僕は彼とは幼稚園からの幼なじみです。柔道は「一緒にやろうよ」と引っ張られて入りましたが、中学校で柔道部が創設されるとは思っていませんでした。
【榎本】裏磐梯で「自然志向ペンション・もみの季」を経営しています。今年で三年目に入りますが、僕は料理店を開きたい夢を持ち調理師の専門学校を卒業し、和食の板前として修行に関西料理のお店に入りました。板前としての基本を実践で学んでいたのですが、それを機に独立への足がかりをつくろうと新しい職場を探していたところ、箱根の旅館で住込みの職場があったのです。そこで、「お客様とのふれあい」というものの良さを感じたのです。午後十一時過ぎに仕事が終わってお客様と同じ温泉につかるのですが、そこで、お客様から世間話や社会の話を聞くことが多いのです。若い僕達に頑張れよって声を掛けてくれたり、料理がおいしかったと誉めてくれたり、何かうれしくなってきて、民宿のような感じもいいなあと夢の中に見え隠れし始めました。
【高木】なるほど。それでどうしたのですか?
【榎本】お金を貯めて三十五才に独立しようと考えていたのですが、独立するのならペンションと思い始めたのです。料理店、民宿、そしてペンションと夢はどんどん広がっていきました。二十七才の時でしたが知人から裏磐梯に父子でやっているペンションの売り物件があることを知らされました。早速、見に行ったのですがほとんど休業状態のペンションで、購入するにはリスクがありました。交渉の中で三年間賃貸でという話をいただき、清水の舞台から飛び降りるつもりで借りることにしたのです。ところが、始めてみると前オーナーが売りたい一心で仕事をしていたようで、周りからは死んだペンションと言われ、この時ばかりは「しくじった」思いが強かったことを覚えています。でも、気を取り直して前オーナーのお客を受け継ぐような他力本願でなくゼロから自力でスタートするんだという気持ちに切り替えました。最初の一年はいつ辞めようかと言う状況でした。「貧乏脱出」という番組がありますが、まさにあの状態でした。(笑)でも、なんとか友人やリピーターに応援され徐々にお客様が定着してきました。
【高木】大変でしたね。
【榎本】僕はオーナーシェフという形で食事の担当をし、パンも焼いています。また、デザートも作ります。料理は基本的に和風ですが、見た目は洋風なんです。食材にもこだわりがあるのですが、完全無農薬有機栽培の野菜を自分で畑に行って摘み取って来ます。本当においしいですよ。また、焼いているパンも好評で、もっとバリエーションを増やしたいと思っています。朝食後はチェックアウトが十時まで続き、それから各部屋の掃除、昼食を取って間もなく夕食の食材の仕入れ、仕込みに入り午後八時半頃には夕食が終わります。それから、バータイムとしてお客様とふれあう時間がありますから、毎日就寝するのは二時くらいです。ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの繁忙期は睡眠不足になってきますが、リピーターのお客様たちが「私たちの所は慌てないでいいよ」と気遣ってくれることに助けられてなんとか頑張っています。これもペンションの良さかもしれませんね。
【高木】アットホームですね。行き方を教えてください。
【榎本】車ですと、東北自動車道で郡山ジャンクションから磐越自動車道に入り、猪苗代高原インターで降りて、国道115号と県道2号、国道459号を使って裏磐梯方面に走ってください。磐梯高原休暇村という看板が見えたら近くです。幸手からですとゆっくり来ても三時間から三時間半くらいですね。夏はトレッキングや登山、カヌーなどが楽しめますし、冬はスキーやスノボなども盛んです。僕もカヌーをやっておりますので、時間が出来るとお客様にカヌーの指導などをして楽しんでいます。とにかく裏磐梯は自然がたくさん残っています。ですから、もみの季ではシャンプーやリンス、石鹸なども自然に近い水に返せるものを使ってます。
【高木】まさに自然志向ですね。それではお友達をご紹介下さい。