2001年7月1日



鈴木雅之さん じめじめした梅雨もあと一息になりました。いつのまにか、街中には祭りの提灯が賑やかに揺らいでおります。ビールもおいしい季節ですが、今年は猛暑になるのでしょうか?さて、本日の友達の輪は「ペンション萌実の季(もみのき)」オーナーの榎本季一(すえかず)さんよりご紹介いただきました居酒屋ニュー鈴家の鈴木雅之さんにご登場いただきます。鈴木さんは若だんなとして家業を継承されています。

居酒屋ニュー鈴家
若だんな 鈴木 雅之さん
本紙取材 高木 康夫

【木】はじめまして。準備中のお忙しいところよろしくお願い致します。鈴木さんは家業を継がれたようですがお店は古いのですか?

板前として
  夢を持ち続けて

【榎本(敬称略)】鈴家はもともと鈴家旅館という名称の旅館だったのです。祖母の代まででしたが、私が産まれた頃はまだ旅館をやっていたようです。私の父はサラリーマンとしてオンワードの営業をやっておりまして、祖母の旅館業を継ぐ予定はなかったようです。でも、商人の家系でしょうか、いわゆる脱サラで居酒屋を始めたのです。ちょうど、私が小学校の一年の時と記憶しております。

【木】旅館だったのですか?それは知りませんでした。すると、自然と家業に入られたのですね?

【鈴木】高校生の時にアルバイトで家業を手伝っていました。実は私の通っていた幸手高校ではアルバイトが禁止されておりましたが、家業を手伝うのであれば許可が出たのです。家業を手伝うといっても、お金欲しさのアルバイトで夕方から十時ごろまで手伝っていました。もともと人見知りするほうなので、お客さんとのコミュニケーションは苦手でしたが、不思議なものでやっているうちに面白くなってきて、こういう仕事もいいなあと思うようになったのです。そして、高校卒業後、調理の専門学校に行って調理師の資格をとることにしたのです。


【木】後継者不足と言われている時代ですが、家業を体験させることも大切ですね。それで、鈴家さんに入ったのですか?

板場の修業と
  接客の重要性


【鈴木】いえ、初めて入店したのは銀座にある加賀料理のお店でした。専門学校を出ただけでは何も出来ません。一通りのことを学ぼうと、文字通り一からの修行でした。人より早くお店に行って仕込みの準備から始まり、料理店が閉店し後片付けが終わるまで毎日フル出勤でした。ですから、掃除が終わって帰る時間には幸手まで帰れる電車がなくなってしまうことが何度もありましたね。仕方がないので西新井にアパートを借りて一人暮らしで二年間修行させていただきました。でも、ここは割と大きなお店でしたので、板場とお店が離れておりお客さんに接する機会はほとんどありませんでした。お客さんとのコミュニケーションが面白くて、この世界に入ったわけですから、もっと身近にお客さんとふれあえる環境のところで勉強しようと、知人の紹介で春日部の個人経営のお店に移ったのです。このお店はカウンターがあって、中で調理をしながら接客が出来るお店でした。ここで、同じく二年間勤めさせていただき、今までの経験を活かせるように幸手に帰ってまいりました。

【木】幸手に戻ってきていかがですか?

人の温もりを
  感じるまち幸手

【鈴木】都心のお店ではめずらしい高級な魚や変わった魚も勧めれば売れてしまいましたが、見栄を張ってしまうお客様も多かったように感じます。幸手に帰ってきて思ったことは、お客様が肩肘張らずに気軽に立ち寄っていただいているのでしょうか、、庶民的であったかい感じがしました。知っている方々も多いですからとても楽しく仕事をさせていただいております。また、仕入れから調理、接客までなんでもやるようになりましたから、やりがいも感じます。市場で鮮度の高い旬の素材を吟味して仕入れるのですが、自分の眼が試されるようですね。そして、その素材で工夫した料理を出しております。そう、だし巻き玉子はお勧めですよ。銀座時代からだし巻き玉子は得意料理で自信があります。また、串揚げも評判が良いメニューですね。もちろん、すべてリーズナブルな価格が大切と考えています。それから、これからのことですが、地酒をどんどん増やしていきたいと思っています。
鈴木雅之さん
【高木】夢などは?

家族連れも入れる
  店づくり

【鈴木】夢ですか?そうでうsね、私が入った頃より二十代の若い人達やカップル連れなどがお店に来てくれるようになって来ましたので、更に気兼ねしないで入れるお店づくりを進めたいと思っています。宣伝になってしまいますが、通り掛かる人から「ここは何屋さんなんだろう?」と言われることがあるのですが、家族連れでも入れるお店づくりをしていますので、どうぞ、お越し下さい。定休日は日曜祭日で営業時間は午後五時から十一時までですが定休日でも十名様以上の宴席は営業させていただきます。ご宴席も十名様から四十名様くらいまでのお座敷がありますので、何なりとご相談下さい。

【高木】趣味などは?

【鈴木】冬はスキーをやっておりますが、現在はゴルフが趣味です。でも、五ヶ月の子供がおりますので休みは家族の時間となって、なかなかやる暇がないですね。もっとも、スコアも百のラインを行ったり来たりといったところですが(笑)

【高木】それではお友達をご紹介ください。

【鈴木】商工会青年部でお世話になりました、さくら製菓の並木敦さんをご紹介致します。

【高木】ありがとうございました。おいしいお料理とおいしいお酒のいただけるお店として益々のご繁盛をお祈り致しております。
(「マスター(父親)が現役ですから、まだまだ、ひよっこ」とおっしゃる二代目の雅之さんですが、自分で捜し求めた地酒とチャレンジしたい居酒屋の焼肉バージョンなど、新しい料理の開発にも若さと情熱が感じられました。民芸風居酒屋という雰囲気はカウンターにも本物の船を使う凝りようです。鈴家さんのように元気なお店が増えてくればまちも元気に包まれることでしょう。)

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