2001年7月29日



並木克己さん ダイポールモード現象による異常気象で暑い日が続きます。真っ黒に日焼けした子どもたちも夏休みまっさかりに遊んでいることでしょう。本日の友達の輪にはさくらせんべいの並木敦さんよりご紹介いただいた、桜まつり実行委員長の並木克己さんに登場いただきます。並木さんは権現堂堤保存会でも活躍され、桜だけでなく紫陽花の植樹を毎年続けております。

桜まつり実行委員会
実行委員長 並木 克己さん
本紙取材 高木 康夫

【高木】桜製菓の並木さんから「なんでも一生懸命に取り組まれる方」と伺いましたが、特に権現堂堤においては並木さんを抜きに考えられないとのことですが。

エレキブームと
     権現堂堤

【並木(敬称略)】毎日暑いですね。私は小さい頃から権現堂が自分の遊び場でした。桜堤が大好きで、中学生の頃は授業をさぼって(笑い)、というより授業を抜け出して権現堂に行って遊んでいました。当時担任だった先生をずいぶん困らせたようです。私達の世代はグループサウンズが流行って、猫も杓子もエレキギターをもってバンドを作ったエレキブームがありました。私たちもベンチャーズなどのコピーを一生懸命していました。ヤングスターズというバンド名で私はリードギターを担当していました。今頃ですが、幸手のお祭りでは山車が引き回されます。その山車の上で演奏を始め、その後、権現堂の桜を観光に来た人たちのためにアトラクションとして桜堤のステージで毎年演奏しました。ですから、青春時代の思い出は権現堂を抜いては語れません。

【高木】桜まつり実行委員会と保存会では?

保存会が堤を守る
   ボランティア活動

【並木】桜まつり実行委員会が設立される時に、増田市長から実行委員長を依頼され固辞したのですが、「おまえは小さい頃土手をぶっ壊していたので、その責任をとって権現堂堤の立て直しをしてくれ」と言われ、(笑い)感じるところがあったものですから実行委員長を引受けました。実行委員会は桜のシーズンを中心に一年間の計画が立てられておりますが、特にシーズン中が忙しい委員会です。また、権現堂堤には桜堤保存会も存在し、会費を徴収して権現堂桜堤の景観を維持しようと六十名ほどの会員がボランティア活動を行っております。権現堂を愛する人たちばかりで、ほとんど毎日のように散歩をしながら土手を見に行きますし、土日ともなれば必ず誰かがごみを拾いに出かけます。また、毎月第四日曜日は全会員でクリーン作戦を行って土手のごみを一掃します。そして、自費で材料を購入し、階段を作ったり杭を打って植栽を保護したりもしています。

並木克己さん【高木】桜堤保存会は市から費用が出ているのではなく、すべて自費なのですね。紫陽花が話題ですが。

桜が咲いた後も
  楽しめる場所に

【並木】六年前でしたが、桜が終わってしまうと閑散とする権現堂を見ていて何か寂しいものを感じました。女房と出掛けていて良いアイデアはないものだろうかという時に紫陽花を思いついたのです。そして日陰に強く、花も一ヶ月は楽しめます。早速市役所に許可をもらって、苗一本七〜八百円しましたが、百本ほど自費で購入して植えてみたのです。そして、はじめて花が咲いた時は嬉しかったですね。「すごく、きれい」と喜ばれ、本当に嬉しい気持ちがいっぱいでした。それから、毎年増やしつづけました。もちろん、保存会の費用や自費で苗を購入しました。お蔭様で新聞などに取り上げていただき、このことを知った市内の方々から、株を提供したい旨の連絡をいただき、約トラック三台分もの株を堤に移植しました。各家庭から掘り出し、堤に植える作業はとても重労働で、保存会の多くのボランティアにも手伝っていただきましたが、なによりも咲き誇った時を考えると頑張れるものでした。権現堂の紫陽花の特徴は五十種類もの株が植えてあり、いろいろな花を見て楽しむことが出来ます。

【高木】二度楽しめる場所になったのですね。

手入れも大変だけど
  年に二、三度楽しめる所に

【並木】実は三度楽しめるようにと、夏の花としてひまわりを植えたこともあります。ところが、ひまわりは咲いた後に全部抜いて翌年苗を植えなければならないのです。思いつきは良かったのですが、ニ年で辞めました。もちろん、紫陽花の手入れも大変です。咲く季節も梅雨時で水を好む花ですから、今年のような空梅雨ですと水遣りも大変です。特に権現堂は水はけが良いのです。一日中ホース二本で水をやっていることもあります。各所の花へホースをひき直しながら朝から夕方までの水遣りは本当に大変です。一ヶ月近く花を咲かせますが、翌年きれいな花を咲かせるために、花が萎んできたら花切りをします。草取りやつる取りも大変な作業ですが、保存会のボランティアで行います。まわりの人たちから「すごくきれいになってありがとう」と言われると嬉しさで疲れも飛んでしまいます。そして、今年は秋にも楽しみがあるのです。工業団地周辺に群生していた彼岸花を二百株程権現堂に株分けしました。彼岸花は草むらの土の中からいきなり花を咲かせますので前兆がわかりませんから、本当に咲いてくれるかどうか九月過ぎが楽しみです。

【高木】それでは、お友達をご紹介下さい。

【並木】ご夫婦揃って親しくさせていただいている幸手市南にお住まいの、野口さんをご紹介致します。特に奥様は日本民謡協会早坂流民謡師範の早坂光謡さんとして、唄の世界でご活躍中です。

【高木】ありがとうございました。並木さんのような方々が権現堂を守っていただき、春には桜や菜の花、梅雨には紫陽花が咲き誇り、九月は彼岸花と年間を通してお花を楽しめる場所になっているのですね。市民の一人として、私たちの知らないところで活躍されている方々に感謝したいと思います。ありがとうございます。これからも、いっぱいの花々を権現堂に咲かせていただきたいと思います。

(権現堂の事を話される並木さんは本当に楽しそうでした。奥様からは「土手の子」と評されるようで、それくらい権現堂にいる時間が長いようです。また、趣味の釣りではヘラブナ専門で多くの大会で表彰されているようです。飾り棚にはところ狭しとトロフィーやカップが置かれていました。自然保護という観点からも並木さん達の活動にエールを送りたいと思います。ますますのご活躍を期待致します。)

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