2002年3月3日



 今日はひなまつり、女性にとっては華やかな一日です。それぞれのひなまつりどう過ごされるのでしょうか。さて、本日の友達の輪には堀中歯科医院・院長の堀中昌明さんよりご紹介頂きました幸手市北にある婦人衣料メーカーの潟oーモス専務取締役真中良子さんにご登場いただきます。

真中良子さん潟oーモス
専務取締役 真中 良子さん
本誌取材 高木 康夫

【高木】こんにちは。堀中さんからすごく頑張っている方とご紹介頂きましたが、堀中さんのお父さんがこちらの社長さんですね。真中さんは入社されて長いのですか?

【真中(敬称略)】この会社にお世話になって三十五年が経ちました。現在はデザイナーとしての業務が多くなっておりますが、実は、入社した時は事務系の経理職として採用されたのです。しかし、徐々にですがいろいろな部門を経験させていただき、気が付いたらデザインまでさせていただくようになりました。

【高木】ご存知ない読者の方もいらっしゃいますのでバーモスさんについてお伺いしたいのですが?

バモスは
 スペイン語でレッツ・ゴー!

【真中】宣伝になってしまいますが、当社はニットを中心とした婦人衣料メーカーです。企画から、製作、そして自分の店で販売まで行なうことをコンセプトにしています。バーモスとはスペイン語のバモスからとったもので「レッツ・ゴー、行きましょう!」の意味です。当社は本社を東京浅草橋に構えておりますが、幸手工場が発祥の地であり、すべての商品をここでデザインし、製作しております。当社のブランドには会社名そのものの「バーモス」、エグゼクティブな位置付けの「エグ・バーモス」、女性らしさを表現した「ロテール」、三十代への提案型商品である「VS30C(ヴイエスサンマルシー)」などがあります。社長の奥様の店を筆頭に直営店が十一店にフランチャイズ店がニ店、それに取扱い店は東京圏では一五〇店、大阪圏では二〇〇店に商品を供給しております。直営店は主に埼玉県に集中しており春日部、加須、蓮田、岩槻、越谷、浦和などあります。将来は五十店舗の直営店を目標に頑張っているところです。

【高木】繊維業界は不況と伺いましたが、アグレッシブな展開ですね。

企画、製作から販売まで
  一環システムへの転換

【真中】おっしゃるとおり私たちの繊維業界も本当に不況です。景気の良い時は生産する商品すべてが飛ぶように売れたバブル時代もありました。しかし、メーカーとして商品を製作し、販売は供給先のお店任せでは本当の意味での消費者ニーズが汲み取れないと感じたのです。そこで、十五年前ですが、春日部にアンテナショップを開店しました。企画、製作した商品がどのように売れていくのか、また、何が要因で売れないのかといった情報がどんどん蓄積されていったのです。つまり、商品が売れないと言う事は直ちにメーカーである自分の責任ということなのです。もちろん、商品をお客様にプレゼンテーションするのはお店の人たちです。そのためには、しっかりしたコーディネーションやセンスが問われます。メーカーだけの立場でしたら製作ラインのハード面に投資をしますが、接客の仕方などのような販売員教育のソフト面にも投資をしていかなければなりません。おかげさまで、十五年前の転換で不況の中でも生き残れる体力がついたものと思っております。

【高木】経営転換が鋭いのですね。ファッション関係を見ておりますと流行というものが非常に大きなものに感じますが。

間中良子さん

自分自身の演出
 着たいものを創る

【真中】女性の衣料については、タンスの中に二百着などと言われます。メーカーとしては「その中に入っていないものを創れ!」と日々頭をひねっております。時には奇抜過ぎて「狂っているんじゃない!」(笑い)と言われるようなデザインになったりすることもありますが、着ている人が見て、楽しかったり、ファンタジーな気分を味わえるのだったらいいと思っています。わが娘から「おかあさんがデザインしたものが、何で売れるの?」なんてからかわれますが、自分自身がそうであるように女性の感性というものは常に自分を演出したいと思うものがあるのです。ですから、デザインでも自分が着てみたいと思えるものが大切です。ファッションは身に付ける事によってうれしくなり、そして外に出たくなり、誰かに見て欲しくなり、自然と美しくなっていくものなのです。つまり、着ている人を美しくしてあげられる「夢のある商品」を創っていかなければならないのです。ですからデザイナーは何でも感動できる感性が必要で、五感を研ぎ澄まさなければいけないと思います。その結果、流行る商品が生れてくるのです。

【高木】感性を磨くにはいろいろ見る事が大切ですね。

2002年は
 スイング&パンチ

【真中】そうですね。毎年二、三回、海外のマーケットを視察に行きます。先月もマーケティングでイタリアに行ってきました。この時期ベネチアでは仮装マスクで着飾ったカーニバルが開催されます。なんとしてもこれを見たかったものですからマーケティングの時期を合わせていただいたのです。私は今までにやりたい事を全部やらせて頂いたと思っております。とても、感謝しております。製品開発に役立つと信じたら積極的に会社に提案してきました。当社にも若い人たちがたくさんいますが、自分を認めてもらうにはオーナーを説得してどんどんチャレンジする事だと思います。今回のマーケティングも大収穫でお土産にたくさんのマスクを買ってきました。人間は誰でも変身願望があります。マスクを付けかえるのと同じように、気持ちがスイングし、ゴールドやシルバーのきらめきを身につけて欲しいのです。華麗なカーニバルを見ていて二〇〇二年の秋冬物のテーマも「スイング&パンチ」に決まりました。

【高木】それでは、お友達をご紹介下さい。


【真中】よくお蕎麦を食べに行くのですが、そこのオーナーで森田蕎麦店の森田克美さんをご紹介いたします。

【高木】本日はお忙しい中、ありがとうございました。今後も幸手発のニット・ファッションのリーダーメーカーとしてご活躍下さい。

(とっても前向きな方で、パワフルな勢いを感じました。中学、高校時代はソフトボール一本やりというスポーツマンだったそうで、何でも好奇心を持ってチャレンジするそうです。五十才からはじめたスキューバダイビングや八年連続でカナダのキャンベルリバーに行ってキングサーモン釣りと世界中を楽しく旅したいとやさしくお話下さいました。)

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