2002年4月14日



  桜マラソンが本日開催されます。例年であれば満開の桜のトンネルをランナーが走り、本格的な春の訪れを楽しむ一日ですが、気分はすっかり初夏のようです。新緑の桜堤も多くの人出を期待できる桜マラソンで喜んでいることでしょう。さて、本日の友達の輪には飯田ふとん店を経営されております飯尾寛之さんからご紹介頂きました中村としさんにご登場いただきます。中村さんはとても元気な方で、現在八十三才だそうで元気の秘訣を伺ってまいりました。

中村としさん暮らしの会・婦人会 役員
中村 としさん
本誌取材 高木 康夫

【高木】こんにちは。飯尾さんから、両親とも親しくいただいている方で知恵袋のように何でも作る事が好きな人ですよと伺ってまいりました。

【中村(敬称略)】飯田さんとは永いお付き合いをさせていただいております。私たち夫婦はもともと助町で鍛冶屋をやっておりました。主にクワや包丁などを作っていました。主人がふいごを吹いて熱く焼けた鉄の塊を取り出すのです。その塊に私が二貫目の金槌を打つのです。二人三脚の仕事ですが、女性の力ではとてもきつい仕事でした。包丁などは熱く焼けた鉄三寸の塊を割って、サンドイッチのようにその間にハガネを入れるのです。そして、焼いては打っての繰り返しで包丁に仕上げていくのです。とても切れ味のよい包丁が出来ましたよ。出来上がった包丁を見ると嬉しくなっていましたね。昔から、なんでも作る事は好きだったのです。鍛冶屋を辞めて現在の南に移ったのですが、その後、くらしの会は四十年、婦人会には三十五年在籍し、副会長まで務めさせていただきました。体を動かす事が好きで、七十三才から踊りやヨガなども始めました。

【高木】七十三才からですか?

七十三才から
   踊りにヨガに!

【中村】踊りは「みその流」です。新舞踊ですが、二人でやったり三人でやったり月に三回練習しております。桜まつり期間中も北公民館で発表の場がありましたし、公民館まつりや市民まつりなどにも出演しております。白鷺園などへの慰問活動も積極的に行なっております。発表会が多くなれば練習も多くなりますので忙しい日々を送らせていただいております。また、ヨガを始めたのも同じ七十三才からだったのですが、初めはあぐらも組む事も出来ませんでした。体が硬くなっているのですね。年齢的にもしょうがないのでしょうが、それから十年経ちましたが、今は体が軟らかくなりました。私の交通手段は自転車なのですが、毎日忙しく飛び廻っています。久喜のヨーカ堂まで自転車で行くこともありますよ。

【高木】お元気ですね。何か秘訣がありますか?

野菜を食べて
   積極的に動く

【中村】食生活で野菜をいっぱい食べると言う事でしょうか。私は毎食手作りでとにかく野菜はいっぱい食べています。それと、何でも積極的にやってみることですね。私はボケたら困るし、まわりの人に迷惑をかけてしまうので、ボケないように何でもやっているつもりです。ボケる人の多くは笑わない人が多いそうです。皆さんに喜んでもらい自分も喜べる事がボケない秘訣とも思います。昔から「人のためは我が為」と思っています。また、睡眠時間も六、七時間とって、ゆったりとした生活も大切と思います。心のケアではありませんが、私はNHKラジオで毎朝四時〜五時の一時間放送される「心の時代」という番組を聞いております。苦労をされた人のお話など、とても為になるお話を対談形式で聞かせてくれる番組です。早起きは三文の得と言いますが、私は目が覚めるとラジオを聞く習慣が出来ていまして、この「心の時代」は絶対にお薦めですね。ぜひ、機会があったら聞いてみてください。

【高木】やってみたいことがたくさんあることが元気の秘訣ですね。くらしの会にも参加されているそうですが?

生活から
  ごみを減らしたい!

【中村】地球温暖化の影響で桜も早く咲いてしまったのではないかと思うほどの気候でしたが、くらしの会では生活から出てくるごみの量を減らそうと考えいろいろな活動をしております。くらしの会の会員は主婦がほとんどですから身近な消費生活から取り組んでおります。同姓ですが自宅前の中村孝子会長がとても素晴らしい方で、いろいろな事を提案されております。家庭で出てくる野菜くずは捨てないでコンポストに入れて、堆肥化させております。出来上がった肥料は家庭菜園に利用しておりますが、捨てればごみですがリサイクルさせれば立派に役立つものです。また、家庭で出てくる廃油のリサイクルで石鹸も作っております。

【高木】廃油石鹸ですか、簡単に出来るのですか?

中村としさん

誰でも出来る
    廃油石鹸

【中村】どなたでも簡単に作れますよ。ご説明しましょう。家庭で天ぷらや揚げ物などで使った廃油が原料です。なるべく使い込んだ油のほうがいいですね。まず、不純物(あげかすなど)を濾した廃油三gに対し、水800cc〜1000ccとカセイソーダ1ビンに牛乳パック四、五本を用意します。カセイソーダは印鑑を持参して薬局に行って購入します。プラスチックの容器に入っているもので三百円位です。まず、カセイソーダを水に溶かしよくかき混ぜます。その後、そこに廃油を入れます。三十分位根気よくかき混ぜ続けます。だんだんドロドロしてきますので、牛乳パックに流し込み、そのまま放置しておきますと固まりますので、使いやすいサイズにカットして石鹸の完成です。ズックの汚れや靴下、足袋の汚れ、Yシャツの襟など、頑固な汚れにはこの石鹸が効果的です。一度たわしで擦って洗濯機に入れればきれいに汚れが取れます。自然に優しい石鹸ですよ。

【高木】すごいですね。試してみたいと思います。いろいろやられているようですが趣味などは?


【中村】幸手には行幸、上高野、幸手の三つの婦人会があるのですが、その連合会で年一回研修旅行が行なわれます。過日も富士の裾野にある鍾山温泉に行ってきたのですが、とても素晴らしいところでした。旅行なども健康でないと行けないですからなによりも健康である事ですね。今、踊りが忙しいので出来ませんが、編物にも集中してやってみたいと思っています。忙しすぎて年をとる暇がありませんよ。(笑)

【高木】それこそ健康の秘訣ですね。それでは、お友達をご紹介下さい。


【中村】幸手市婦人会連合会長を務める片岡あつ子さんを紹介します。

【高木】本日はお忙しい中、ありがとうございました。


(とても元気でお若く、年齢にはとても見えない明るく気さくな方でした。取材後、手作りの蒸しパン、廃油石鹸と牛乳パックで作ったペン立てやトレイを頂きました。物を大切にする心こそ今の環境問題を考えるのに大切なことのように思いました。)

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