日韓共催で幕を明けたワールドカップ2002も残すところあと一週間になりました。トルシエ・ジャパンも悲願の予選リーグ突破を果たし初のトーナメント出場を果たし、ベスト16にまで成長致しました。さて、本日の友達の輪にはベルデピアノ教室を主宰されております芝あい子さんからご紹介頂きました鰍ネらいち常務取締役である奈良俊一さんにご登場いただきます。
鰍ネらいち
常務取締役 奈良俊一さん
本誌取材 高木 康夫
【高木】こんにちは。芝さんとはPTAを通じてのお知り合いと伺いましたが?
【奈良(敬称略)】そうですね。子どもたちが幸手小学校にお世話になっておりましたが、上の子が入学してから延べ九年間PTA活動に関わらせていただきました。芝さんには私たちの子どももピアノの指導をしていただいておりますが、PTAでもお世話になりました。
【高木】ならいちさんは歴史があるようですが?
【奈良】現在の書籍・文具を中心とした業態になったのは祖父の時です。それ以前は呉服屋だったようです。祖父の名が奈良市太郎といい、奈良市太郎商店という屋号をもって明治の末頃創業したものです。開業当初は紙や筆といったものから今で言う雑貨、金物が中心だったようです。その後、父が二代目となり屋号も奈良市太郎商店から「ならいち」とし、現在の業態である書籍や雑誌、文具関係全般を扱うようになりました。この近隣の小中高校の教科書もすべて取り扱っております。現在、幸手市と久喜市においてチェーン店として三店を経営しておりますが、書籍や雑誌、文具というものは、アイテム数がものすごくありますので管理が大変です。
【高木】私は久喜新道にある「ならいち」さんによく立ち寄るのですが、探し物の書籍を係に尋ねると、すぐに見つけ出してくれるのには感心します。あんなにたくさんあるのによくわかりますね?
【奈良】新刊の書籍や雑誌が入荷すると担当する者が必ず荷を開けるのですが、その時にその書籍や雑誌を目から視覚的に記憶するのです。それでお客様からのお問い合わせにも答えられるのです。私も以前は担当していましたのでだいたい解りましたが、現在は担当しておりませんので、訊ねられてもどこにあるのか探すのに時間がかかってしまいますね。(笑い)それだけ種類も多いということです。本という商品の性格上、一般の小売業にはないような難しさもたくさんあります。たとえば、一般的な小売業でしたら売れ筋商品を見極めて仕入れ販売しますよね。ところが、書籍などの場合、売れるだろうと判断してたくさん仕入れたくても入荷数が限られています。その反対に、これは売れそうも無いと思う書籍でも仕入れなければならないのです。これは出版社サイドで、ある程度のつくり部数があり全国の書店に配本して多くの方々に読んで欲しいという思いがあるからです。
【高木】なるほど、最近本離れが心配されておりますが?
【奈良】本の魅力が伝わらないのでしょうか。着るものや食べるものは代りのものがありますが、本の持っている幅広い知識や想像力を養う力は代用出来ません。読書は感性あふれる情操教育にはなくてはならないものです。未就学や低学年から本を読む習慣が大切ですね。私は本屋で生まれ育ちましたので、自然に本が好きになりました。そして、小学校の低学年からスポーツを見る事が好きで、野球の雑誌などを片っ端から読み始めました。自分自身の体験から言えることですが、好きなジャンルのものを読んでいったほうが良いと思います。現在、全国的に小・中学校を中心に朝の読書というものが行なわれています。各自が持ち寄った本を読むのですが、こういった習慣から感動する本との出会いがあるのです。お店でも毎月第二、第四土曜日に本店と久喜店内の児童書コーナーにイスとシートをひいて子どもたちに本の朗読をする「読み聞かせ」も行なっています。朗読に耳を傾ける真剣な眼差しが忘れかけていた何かを教えてくれるようです。
【高木】喜んでいる子どもたちの顔が浮かんできますね。画材関係も充実されているようですが。
【奈良】本店にまんがやイラストに使うスクリーントーンをはじめ多種な画材などを置いています。その付近にスケッチブックでお客様の声を書いていただけるようなコーナーを設けました。すると、まんがやイラストを書くことが好きな人たちがコミュニケーションの場として、そのスケッチブックに自分のマンガやイラストを描いていくのです。かなりの人たちが利用していて、作品も素晴らしいものがたくさんあります。ときにはお土産が置いてあり、どうぞお持ち下さいなどと書いてあります。スケッチブックはすでに何十冊となっております。中にはプロとも思えるイラストや同人誌の紹介など、市内はもちろん近隣からも来られているようです。絵心を伸ばせればと思い、独自の企画でうちわやカレンダーにイラストを描くコンテストを行なっております。夏はうちわイラスト展、年末はカレンダーイラスト展、春はさくらイラスト展と称しております。七月二十一日までうちわイラスト展の受付けを行なっておりますので興味のある方はどうぞご応募下さい。
【高木】幸手市の活性化にもご尽力と伺いましたが?
【奈良】幸手市の中心地が過疎化しているように思えるのは私だけでしょうか? 一生懸命努力しても報われないのはまともな社会ではないと思うのです。商売でも同じことで、一生懸命まじめにやっても店を閉めなければならないような地域にしてしまうのではなく、商店街にはたくさんの人が歩いて、買い物を楽しんでる風景が必要だと思うのです。そこで、商工会が事務局となって中心市街地の活性化事業を行なおうということで「へそづくり応援団」を作りました。イベントを企画したり参加したりして活性化への求心力をつけるための応援団です。いろいろ企画しておりますのでお楽しみにして下さい。
【高木】では、お友達をご紹介下さい。
【奈良】「へそ作り応援団」の団長をしている船川高広君を紹介します。船川君は商工会青年部の副会長で魚和の後継者です。また、十二才違いの同じ申年で十二月二十一日の同じ誕生日という妙な縁なのです。
【高木】ありがとうございました。
(旅行も好きな奈良さんですが、なかなか時間が取れないそうです。でも、旅行の計画が立つと真っ先に旅行中に読む本を選ぶそうです。とても明るくおおらかな方でした。)