秋分の日も過ぎ暦の上では秋本番ですが、環境破壊や地球温暖化の影響でしょうか異常ともいえる暑さや気象が多かった今年です。さて、本日の友達の輪には幸手市立長倉小学校の養護教諭藤井セツ子さんよりご紹介頂きました東関東子育てサポートセンターを主宰されている木村利行さんにお話を伺いました。
東関東子育てサポートセンター
木村 利行さん
本誌取材 高木 康夫
【高木】こんにちは。藤井先生からたくましい子どもたちを育て上げる名人と伺ってまいりました。よろしくお願いいたします。幼児教育に関わろうと思ったのはいつ頃ですか?
【木村(敬称略)】実は私は大人が嫌いだったのです。小さい時から機械等を触るのが好きでしたから人間関係を作るのが苦手になっていたのでしょうね。車の整備士として働いていましたが職場に入ってもうまくいかないことがあったりしました。その後自動車電装品の自営業を始めても人間関係で時々行き違いがあり、「自分の思いがなんで伝わらないのだろう」と思ったものです。そんな時に保育園を見学に行って子どもたちに魅力を感じたのです。その時「これは大人の男が一生やってもいい仕事だ」と思いました。
【高木】それで保育の道に入ったのですね。
【木村】当時の保母さんは女性がほとんどで、現在でも少ないですが男の場合は男性保育者とか、男保母とか呼ばれ珍しがられました。私と幼児教育との関わりは、二十六年前になります。〇〜二才児の市内の家庭保育室に八ヶ月勤めた後、幼児教室ひまわり園に勤めました。当時、幸手団地では居住者三千世帯に対して幼稚園が二ヵ所しかなく、幼稚園浪人が出るほど子どもたちを受け入れきれなかったのです。そこで、自治会が中心となり幼児教室ひまわり園をつくりました。私はその三年後に勤務しました。現在の幸手ひまわり幼稚園の前身で、最初は集会所を利用してスタートしました。集会所ですから、お葬式などが入ると使えませんから外で幼児教室を開催するのです。その光景から地域では「青空教室」と呼ばれていました。その後、外周に土地を借りてプレハブで幼児教室をつくりました。私は二十九才の時、男性保育者としての資格試験に埼玉で初めて合格しました。正確には合格した方の中にはすでに専門学校卒の生徒が七名いましたので、資格取得は八番目となっています。そして、七年目で認可を受け現在のひまわり幼稚園になっております。私は二十三年間勤め、園長までさせていただきましたが、小学生や中学生になって悩んでいる子どもたちを見ると、幼児期の親と子どもの関わりや保育が大きく関係すると考えたのです。そこで、親子一緒に子育てを実践したいという思いが強くなり、園を退職し親子と一緒に子育てを実践する「東関東子育てサポートセンター」を開設しました。
【高木】親子一緒の子育てですか?
【木村】毎週水曜日に「ころりんシーソー」という親子参加の保育実践を行っています。「ころりんシーソー」とは親子が子育てを通じてシーソーのようにバランスを取りながら成長していくようにという思いから妻がネーミングしたものです。今までに五百四十組、一千八十人の親子に参加していただきました。一日の中で思いっきり外遊びをし、その遊びを見ながら子どもの発達相談をし、食事をした後でお茶を飲みながら子育て相談を行ないます。参加者から「肩の力が抜けまた見通しが持て子育てが楽になりました」と云われ、また来たいという子どもと親が増えてきた事をとても嬉しく感じております。センターのキャッチフレーズですが、「子育てを楽しみませんか、楽しい子育てを応援します」と子育てによって自分自身の人生が豊かになれることを伝えながら子育て実践してをしております。
【高木】子育てに悩む親も多い時代ですからね。
【木村】若い頃の自分は大人が嫌いだったと話しましたが、子どもの側に立って子育てを実践してくる中で、私自身大人が嫌いになった理由は自分の育った環境のためと分かりました。おもちゃの機械が好きで、人間同志の距離のとり方を充分学んでこなかったのです。今の子どもの多くは親に三才くらいからいろいろなカリキュラムを押しつけられ、子ども心に嫌だと言う気持ちがあっても親にはそれがわからない事が多いのです。例えば、大人が好まないのに一年間プールで泳がされたり、走らされたりしたらどうですか?子どもたちにも好き嫌いがあるのです。子どもにとっては「私はこんなに一生懸命頑張っているのに」という気持ちでいるのに親はわからないのです。そのつけが中学生頃には自我の芽と重なり爆発して、更には犯罪にまで及んでしまうケースもまれではありません。子どもというもの、寒くなれば走りまわりますし、暑くなればプールに入ります。本人のやる気を導くためにも親子関係はとても大切ですね。
【高木】お父さんたちともコミュニケーションをとられているようですね?
【木村】定期的に父親の会というものを開催しております。いわゆる飲み会ですが、ホットスルーハウスと呼んでいる部屋で父親達が集まって飲みながらいろいろな話をしています。趣味や仕事の話などをするうちにいつしか子どもの話も加わりとても自然で最適な企画です。(笑)
【高木】では、お友達をご紹介下さい。
【木村】五霞町をほたるの里にしたいという夢があり、「五霞町ほたるの会」の事務局をしていますがそこで相談役を務めていただいております増田吉宏さんをご紹介いたします。増田さんは鷲宮町にお住まいです。
【高木】ありがとうございました。これからも子育てに悩む親や、子どもたちの自然な成長を促すサポートセンターとして益々ご活躍下さい。
(木村さんは小さい頃から機械が大好きだったそうで、現在もラジコン飛行機やヘリコプターを趣味として楽しんでいるようです。サポートセンターにはバンガローやいかだで遊べる池、テントやロープ塔、ちゃぼやウサギ、ビッグと名付けられたミニ豚など大人でもワクワクするものがところ狭しとありました。)