1996年9月1日



朝夕涼しくなり、明日からは新学期。季節の移り変わりを感じる今日この頃です。幸手エビナ電気(株)・社長であります山崎文男さんからご紹介いただきました、(有)ムサシヤ家具店・専務取締役の片山秀行さんと対談して参りました。

(有)ムサシヤ家具店
専務取締役・片山 秀行さん
本紙取材・高木 康夫

【高木】山崎さんとは中学校時代の同級生だそうですね。

【片山(敬称略)】そうです。過日、久しぶりに合いました。山崎さんはおとなしい方です。幸手で同じ小売業ということで、友人がまた1人帰ってきたなという思いです。子供さんが大学生と伺いびっくりしています。

【高木】片山さんのお子さんは。

『長女誕生その時39歳』

【片山】私は46才ですが、結婚が遅かったので39才の時に長女の雅代が生まれ、今年の6月10日「時の記念日」に次女の朋美が誕生し、二児の父になりました。大学生のいる山崎さんと比べると随分環境が違いますね。(笑)

【高木】お子さんを持ってみてどうですか?

【片山】子供は前から好きだったのですが、結婚する前は、親の言うことを聞かずに飛び回っている子供たちを見て、「大変だな」という印象が強かったのです。いざ自分で子を持ち成長してくると、我が子も同じで、言うことを聞かないし、親の思う様にいかないなと、今になって人様の子を思う心がわかった気持ちです。(笑) それに、幼い頃は別として39才までは、遊園地や海などに行った事がなかったのですが、子供を持ったとたんに生活が変って、慣れない遊園地等にも行くようになりました。自分の子供には当然気を使いますし、「あの子危ないなあ」と、よその子供たちにも目がいってしまい結構疲れますね。(笑)

【高木】可愛さが手伝って心配症になっているのでは。

【片山】そうかもしれません。我が家は女の子ばかりで、大きい寿子という子供もいますので(笑)子供中心というより女性中心になってます。男にとってはハーレムと思ったのですが違うようです。(笑)

『慣れない父親奮戦記』

【高木】子育ては?

【片山】長女は初めての子供だったので可愛がり、甘えんぼうになったようですが、今では子供との会話や触れ合いが楽しい時間になりました。次女が生まれるとき、ちょうど幼稚園の遠足があり、家内は行けませんから私が同伴しました。バスに乗ると若いお母さんがほとんどで、圧倒されました。最近は子供の数も減ってきて、子供に対する地域ぐるみの教育にも父親の参加が少なくなってきているように感じます。機会を作って父親同士で顔見知りになる事も大切だと思いました。私の地域は内国府間で、四号線をはさんで権現堂桜堤があるのですが、地域に同じ年頃の子供がいないうえに、安全な遊び場所がないのです。権現堂には朝、野犬がいますし、安全に子供たちが集い遊べる場所が欲しいと思います。来年、長女は小学生ですが、学校区でいくと幸手小学校に通うのです。小学生の足ですと一時間位かかります。区が違う行幸小学校の方が近いんですが。こういった事も地区ぐるみで考えていかなければいけないのかなと思います。

『地域に目を向け新たなるチャレンジ』

【高木】お子さんを持って、より地域に関心を持たれたのですね。片山さんは地域起こしとして青年会議所、商工会青年部、法人会青年部などにも積極的に参加されてますが。

【片山】1990年に商工会青年部長を努めさせていただいた時、幸手の街を地場産業振興で活性化しようとシンボルマークを公募しました。今ではいたるところでその「ハッピーハンド」が目にとまり、商工業者の方々もこぞって商品開発をしていただき幸手にとっての無形の財産ができあがった感慨を持ってます。また、今年は幸手青年会議所OB会の会長をさせていただいており、20才から40才までの青年会議所メンバーの街づくり運動をバックアップさせていただいてます。色々な団体に入る事で多くの人たちと出会うことが出来ますし、活躍している人たちはそれぞれに忙しい中で頑張っていますので、自分にとっても刺激となり、チャレンジ精神がわいてきます。

『地域に愛されて私で三代目』

【高木】なるほど。互いに刺激しあう訳ですね。お仕事の方は。

【片山】当店は昭和20年に初代が家具の製造販売で業を起こし、現社長の父が現在の営業基盤を構築しました。私は三代目ですが、どうなるのでしょう?(笑)昔から幸手は人口の割合からいくと家具屋さんが多いのです。おかげで家具の大型店は出店してこないのですが、それだけ地域の皆様のおかげで成り立っている業種とも言えると思います。しかし、家具も50%近くが国外製造、国内組立といった輸入品による時代を迎え、住宅事情の変化によりクローゼット等の取り付け済の家や色使いなどもバラエティー化し消費者ニーズの把握が難しくなっています。昔は結婚されると必ず婚礼家具のセット等が求められたのですが、今は住居スペースが限られ商品開発も難しい時代を迎えています。

『個性を大事に
 専門店を目指して』

【高木】三代目としてこれからは。

【片山】仕事の関係で展示会や研修などにいくのですが、消費者は新しい物には敏感ですぐに飛び付きます。しかし、その分買い替えサイクルが早くなり、どうしても価格競争になりがちです。しかし、旅先などで調度されている家具を見ると丁寧な仕事をしている良い家具は時代を超えて存在感を持っていますよ。ですから、これからはお店の個性とカラーを作っていき何でも売ろうというのではなく、どこにも負けない物を選択し専門店化していき、地元に還元できたらと思っています。座右の銘ではありませんが『我慢・忍耐』という言葉が当社の社訓です。時間がかかるとは思いますが、マイペースで進んでいきたいです。子育てと同じですね。子供にもマイペースでと願っています。

【高木】夢を大きく育ててください。では、お友達をご紹介下さい。

【高木】ありがとうございました。これからも事業を通じて地域に還元できるようご活躍ください。

【とてもおだやかな、ゆとりを感じる片山さんでした。きっと家庭では3人の女性に囲まれ楽しい団欒を過ごしていることでしょう】

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