1996年9月15日



赤とんぼが目立つ季節になりました。(有)ムサシヤ家具店・専務取締役の片山秀行さんからご紹介いただきました(株)石井酒造代表取締役・石井明さんと対談して参りました。

(株)石井酒造
(株)イシイスポーツコーポレーション
代表取締役・石井 明さん
 本紙取材・高木 康夫

【高木】片山さんからのご紹介ですが、ご家族ぐるみでのお付き合いということですね。

【石井】(敬称略)同級生でもあり、昔から海釣りや旅行やゴルフ等と一緒に行動している悪友の1人です。

【高木】そうですか。ところで石井酒造さんは歴史を感じますが、いつ頃酒造業を始められたのですか。

『創業天保11年
 歴史を代々継承』

【石井】当家の先代は加須市の水深村の出身で、農業を営んでおりました。その後、幸手に上高野の庄屋として移り住み米に付加価値を付けようと石井欣兵衛が天保12年にこの酒造業を創業したそうです。

【高木】歴史を継いでいくことは大変ですね。

【石井】私は七代目にあたるのですが、親の背中を見て育ってきましたので自然とこの仕事に入り込めました。ただ、代々受け継がれてきたものを維持していくためにはそれなりの挑戦があったようです。

【高木】どんな挑戦ですか?

【石井】酒造業を営むには必要最低限の建物、設備や敷地などの資産が必要となりますが、同じ経営をしてますと代を追うごとに目減りします。将来を見据えた何かを起こさなければという気持ちがわいてきて、事業を開発しようという事になり、五代目の祖父からですが新しい事業への投資が行われてきました。祖父は埼玉県酒販という酒類の卸業を事業化し、父である六代目は幸手都市ガスを起こしました。もちろん、その時代の多くの人たちの情熱があってのことですが。

【高木】それぞれの事業は現在でも継承されて大きく育ってますね。それで七代目としてゴルフ練習場を起こされたのですね。

『ゴルフ練習場
 G−FIVE開業』

【石井】ちょうど幸手が町から市へと移ろうとしているころで、今の練習場は雑木林でした。その雑木林にも都市計画税がかかり、企業としての利益を減らす要因を感じ、有効な活用法ということでスーパーの誘致や倉庫業、結婚式場などいろいろ検討しました。でも、住宅地の真ん中でしたので、交通事情等を考え、また近隣の人たちのコミュニティになるものということと、比較的ノウハウが少なく、設備投資をすれば運営がスムーズであるゴルフ練習場にしました。おかげさまで、多くの友人の協力にも恵まれ、平成5年10月にG−FIVEとしてオープンできました。ごろ合わせですが、この年皇太子殿下のご成婚が6月9日でしたので69打席の練習場にしました。(笑)ゴルフ練習場を開業する前は持病で腰を痛めていて年1回位しかしなかったのですが、現在では練習場の効果からか腰も良くなり、仕事の関係で多い月は8回もコースに出ています。

【高木】ゴルフの腕前は。

【石井】ゴルフ練習場のオーナーというのは大抵ゴルフが上手なんですが、私は例外でハンデ14です。でも、以前片山さんと一緒に軽井沢でプレーしたときにホールインワンを記録しているんです。あれは腕に関係ないという証明ですね。(笑)PR10月10日から1ヶ月間三周年記念としてイベントを行ないます。また、参加者にもれなく賞品が当たる三周年記念代コンペを11月14日の県民の日に開催しますので、たくさんの参加をお待ちしています。

【高木】それはすごいですね。ところでお酒の話なんですが、石井酒造さんではどんな銘柄を出荷しているのですか。

『積極的全国展開
 幸手の名を全国に』

【石井】『初緑』がメインで他に『京樽』『幸手』『ゆめ静』などがあります。「ゆめ静」は栗橋が静御前のゆかりの地であることで、それにちなみ作ったお酒です。地域起こしの役割として、各銘柄とも全国展開しています。我々の業界には全国ネットで地酒組合があるので、それを活用することによって販売促進が全国的に行なえるのです。

【高木】幸手の名を全国にPRして頂いていたのですね。造っている日本酒にはどんな種類があるのですか。

【石井】純米酒、吟醸酒、本醸造酒、生貯蔵酒、純米吟醸酒などがあります。わかりやすく言いますと、純米酒というのは、お米と米麹だけで造ったもの。吟醸酒はお米を50%位まで精白し芯に近い部分だけを用いて造ったものです。通常は貯蔵する前に70度位で火入れをし、さらに出荷する前に再度火入れをして殺菌しますが、貯蔵をジャケットと呼ばれる冷蔵庫にし、出荷するときのみ火入れをする酒を生貯蔵酒と呼んでおります。

【高木】なるほど。いろいろあるのですね。年間どのくらい生産されるのですか。

【石井】約54万ι製造しています。1.8L瓶で換算すると30万本になります。以前は全国に四千社あった酒造業社も現在では二千社程になっており、読者の皆さんにも日本酒党の増えることを願ってます。

『逆転の発想は
 新し物好き』

【石井】旅行が好きで、国内をはじめ世界各国を旅してます。スペイン・イタリアは又行きたい所ですね。それと、ミーハーではないのですが、新し物好きですね。新しい物が出るとすぐ飛び付きたくなります。なぜかというと私は前例というものがあまり好きでないたちなのです。考え方なんですが、物事はシンメトリーなことが多く、裏と表が必ずあります。ですから新しい商品の開発プロセスは前例をクラッシュすることから始まることが多く、否定的な考え方が根底にあります。ですから、新しい物には逆の発想がたくさん隠されていて、そこに興味を持つのだと思います。だから、それがわかると飽きてしまうんですよ。飽きっぽいということの言い訳ではないですよ。(笑)

【高木】よく解りました?(笑)では、お友達をご紹介頂けますか。

【石井】プリズムという経済勉強の会を作っていまして、そこで会長を務めさせていただいているのですが、その副会長で、仕事にゴルフに遊びにと、「悪友」?であります(株)フレンドホーム・センチュリー21代表取締役の鎌田清久さんを紹介します。仕事はもちろん、ゴルフはプロ並?な方です。

【高木】ありがとうございました。これからも全国的に幸手発の地酒をご拡売下さい。

【大変明るく、将来の展望を多角的に見据えた企業人という印象でした。ご活躍を期待します】

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