2003年7月27日



はっきりしない梅雨も明けて、子どもたちが待ちに待った夏休みに突入しました。昨今では悪質な犯罪などが増えて物騒な世の中になっていますが、どうぞ気をつけて夏休みを楽しんでいただきたいものです。さて、本日の友達の輪には北コロラド州立大学に留学中の内田千絵さんよりご紹介いただきました幸手市緑台で英語塾を主宰されている牧内京子さんにご登場いただきます。

英語塾
講師 牧内京子さん
本紙取材
木康夫牧内京子さん

【高木】こんにちは。内田さんから小学校の時に英語を教えていただいた先生と伺いました。


【牧内(敬称略)】はじめまして。何をお話すればいいのでしょうか?(笑)よろしくお願いいたします。内田千絵ちゃんに英語を教え始めたのは千絵ちゃんが小学校四年生のときでした。たまたま、お稽古事で千絵ちゃんのお母さんと私が一緒でしたことがご縁でした。千絵ちゃんも留学してまもなく卒業と伺いました。時が経つのは早いものですね。

【高木】英語塾を主宰されているそうですが

大学を卒業後
  職業人として外国へ

【牧内】外国に暮らす経験が英語塾の原点でしょうか?私は九州の鹿児島で生まれ、地理と英語が大好きな女の子でした。将来は地理や歴史などと英語を活かした仕事に就くことが小さい頃の自分の夢となりました。そのためには、外国からの観光客が訪れる京都や奈良の隅々まで知っていなくてはと考え奈良の大学へ進みました。そこでは、考古学や仏教美術の臨地講義があって楽しかったですね。卒業後の就職を検討していた頃、縁あって外国に行くお話が舞い込んできたのです。最初はあまり気乗りがしなかったのですが、憧れの才色兼備のゼミの先生が「私だったら行くなあ」とおっしゃって、又、飛鳥辺りで発掘の手伝いをしたりする機会もあって古代遺跡への興味も強かったので決心しました。親には決まってから報告しました。躾には厳しいでしたが割りと自由な家風でしたので好きな道を歩んでこれたと思います。そして具体的な地名は省かせていただきますが、古代文明発祥の地へ赴き、職業人として三年間でしたがとても貴重な体験をさせていただきました。

【高木】古代文明発祥の地ですか、それで?

国際化の扉を
    肌で感じて

【牧内】あっという間に三年間が過ぎ帰国し鹿児島の実家に帰り、結婚して上京するまで過ごしました。日本ではちょうど大阪万博が開催されている時でした。世界各国から日本への観光客も増えており、日本も国際化に向かって大きくはばたいているように感じました。外国ではインターナショナルスクールで色々な国の子ども達が仲良く遊んでいるのを見て、「日本の子ども達もこんな出会いがあったらいいなあ。そうしたら世界中にお友達ができて楽しいだろうな。」と、その友情が大人になってから何か国際間の役に立つことがあるかもしれない等と夢は膨らみました。それで、いつか教えることが出来たらと、英語の絵本やマザーグースの本などをたくさん買って帰りました。当時は、まだ子ども向けの洋書は少なかったですから。また、私たちの学生時代は生の英語を聞くチャンスがほとんどありませんでしたしね。

【高木】生の英語ですか?外国人とコミュニケーションはどうされたのですか?

実地研修は
  外国人のガイド

【牧内】日本に入ってきたばかりのリンガフォン英語教材を買って練習しました。私が購入したのはカセットになる前のレコードでしたよ。古い話ですね。(笑)また、英会話の先生がハワイ出身の二世の方だったので、生の英語を学べました。その先生の顔が広かったので、外国人観光客へのガイド依頼が来るのです。先生はその役を生徒にさせるのです。二人でガイドをするのですが、今考えると恥ずかしく思います。バスに乗って観光地の紹介や説明などを英語でしていました。私は補助でと思っていましたら、もう一人も同じ考えで緊張したことを覚えています。それに、外国人の方々はわかるまで聞いてきますのでいい加減な説明ではダメなのです。このときばかりは、日本人なのに日本のことを良く知らないなあと反省しました。それで、再び勉強しなくてはと思い、伝統文化のお茶とお花を始めたのです。幸手には、結婚して下の子が四才の時、越して来ました。そして、帰国時の夢を実現し、今から二十三年前になりますが自宅で英語塾を始めたのです。口コミでの募集で少数でしたが、一〇〇人以上の卒業生を輩出しております。そしてお茶は日本の伝統文化の結集したものですから興味は尽きません。オーストラリア出身の英語の先生も春日部から習いに来られました。また、日本画家の父の影響で幼い頃からいつか自分も本格的に描きたいと思っていた絵画も「友達の輪」にも出られた画家の高橋千代子先生の指導を受けました。牧内京子さん

【高木】さらなる夢などは?

「プラテーロと私」
  そんな旅がしたい

【牧内夢ですか?そうですね。主人が定年を迎えたら、今流行のスローライフな生活を送りながらゆっくり旅行をしたいと思っています。できれば、ロバと一緒にスペインのアンダルシア地方を旅してみたいですね。(笑)一九五六年にノーベル文学賞をとったスペインのファン・ラモン・ヒメネスという詩人がいます。彼の作品に「プラテーロと私」という自伝的な作品があるのですが、私はこの作品が大好きなんです。プラテーロは小さな灰色のロバなのですが、主人公が故郷のモゲールでプラテーロと生活するなかで夢見るロマンが描かれた作品です。散文詩ではありますが、非常に叙情的であり、また絵画的でもある作品です。日本では児童用図書として勧められていますが、私にとってはとても感動した一冊で結婚前に主人にこの本をプレゼントした思い出があります。

【高木】素敵な思い出ですね。では、お友達をご紹介ください。

【牧内幸手市南にお住まいの吉野敏子さんをご紹介いたします。吉野さんは我が家の愛犬オスカル(シェルティー犬)の実家です。(笑)吉野さんはご自分で「シリウス文庫」を主宰されておりました。また、子どもたちの本離れを防ごうと「読み聞かせ」なども積極的に行っていらっしゃる方です。

【高木】ありがとうございました。これからも子ども達にインターナショナルな夢を与えてください。ご活躍をお祈りいたします。

(牧内さんは、とても、明るくて日本的な方でした。「プラテーロと私」はご主人の分とご本人の分の二冊あるそうで仲の良いご夫婦をイメージしました。教え子がまだまだ大きな空へはばたくことでしょう。)

[Image :logo.jpg]