2003年8月10日



 例年よりも二週間遅い梅雨も明け本格的に暑い夏になりました。本日の友達の輪には英語塾を主宰されている牧内京子さんよりご紹介いただきました「ひとつぶおはなし会」でご活躍される吉野敏子さんにご登場いただきます。

「ひとつぶおはなし会」
吉野 敏子さん
本紙取材
木康夫

【高木】こんにちは。牧内さんから愛犬オスカル(シェルティ犬)のご実家と伺いました。(笑)以前、「しりうす文庫」を主宰されていたそうですね。現在も読み聞かせを行っているそうですが。


【吉野(敬称略)】こんにちは。オスカルのおかげで牧内さんとは楽しいお付合いが出来て感謝しています。「しりうす文庫」は我が家を使って子ども達に本と人に触れる機会を作ろうと二十年前に始めたものです。子ども達からもらうものが多く、私の人と触れる原点になりました。五年ほど前に閉じましたが、次の目的がなかなか実現出来ないでいます。また、人が集まれる場が作れたら嬉しいと思っています。読み聞かせも図書館で同じ頃スタートした「ひとつぶおはなし会」という幼児から小学生を対象とした素話(すばなし)がきっかけです。素話は「お話」を何も見ないで話すもので、より想像が膨らみます。図書館の素話養成講座がありまして、そこを終了した六人位の人たちと図書館ではじめたのが最初です。今年は久しぶりに図書館で養成講座を開設しましたので新人さんも増えて十五名ほどになりました。現在も市立図書館で毎週土曜の午後二時半から四十分間ほどですが開いております。お話を聴く子ども達の輝いたひとみがうれしいですね。どなたでも参加できますから、親子連れでお越しください。

【高木】ずいぶん、長い歴史があるのですね。南米音楽に深い関心があるそうですね。

フォルクローレから
    南米のとりこに

吉野敏子さん

【吉野】ケーキショップ「ラ・ケーナ」さんでお手伝いしていたのですが、お店のオーナーが南米音楽を演奏している方で、その素朴で温かな音楽にひかれるようになりました。子育ても一段落した頃、生の音楽を聴く南米ツアーが企画されたのです。思い切ってこのツアーに参加して初めての海外旅行でもあった南米のとりこになってしまいました。南米は地球儀でご覧になるとわかるように、日本の反対側です。途中給油のために着陸こそしますが、飛行機に乗りっぱなしで三十時間もかかります。空港も標高四千メートルにあって機外に出るといきなり高山病になってしまう人もいます。私もそうでしたが、頭が割れるほど痛いのです。食欲もなくなるし、大変な思いでした。おまけに、酸素濃度が60%と薄く、走ることが苦しくて出来ません。でも、垣間見る景色は異国なのですが、不思議ととてもなつかしい感じがして心が和むのです。生活自体は大変なようですが、バイタリティあふれていて人々がとても優しいことにひかれました。また、生活の中の色使いが美しくて、初めての南米では感性あふれる刺激とたくさんの色をもらって帰ってまいりました。

【高木】それでアンデスの絵を描いていらっしゃるのですね。

アンデスは感動の宝庫
     ご主人も影響?

【吉野】読み聞かせとほぼ同時スタートですから、やはり二十年前になりますね。公民館主催の水彩画教室から高橋千代子先生に師事を受け、油彩も描けるようになりました。特に南米に行ってからは色使いもそうですが、アンデスの人々からたくさんの感動をいただき、それらをテーマに絵のなかに表現したいと思うようになりました。南米には友人も出来ましたので、ボリビアやペルーを中心に観光客のいないお祭りや市場に行きスケッチや写真を撮ります。そして、日本に帰ってから作品に取り掛かるのです。思うように描けませんが描いていると南米の人たちのエネルギーや優しさをもらえる気がして元気になります。主人も一度だけ南米に同行したのですがマチピチュの遺跡にとても感動して、帰ってきてから南米の埴輪と呼んでおりますが(笑)作っております。いつのまにか我が家の庭も「アンデスの庭」になってしまいました。(笑)

【高木】ご夫婦で楽しそうですね。南米への支援活動もされているようですが?

ボリビアで活躍する
   日本女性に共鳴

【吉野】ボリビアで出会った素敵な日本女性がおります。北浦さんという方なのですが、彼女はボリビアの子ども達と母親を支援する活動を行っています。ボリビアは貧しい国ですが、女性が働くことが出来れば生活環境がずいぶん変わる国です。しかし、多くの女性は生活に追われており、日本のように保育施設が完備されておりません。保育施設が充実すれば子どもを預けて働くことが出来、多くの女性が自立の道を歩めるのです。北浦さんは海外青年協力隊に入ってボリビアで保母をしていました。ボリビアの子ども達とお母さん達を支援して自立できるようにしたいという思いが強い方で、子ども達の輝くひとみにひかれ、任期が終了しても自らの意思で再びボリビアに行き、現在も保育園の運営に尽力されているのです。私はとても感動して、何か協力することが出来ないだろうかと考えました。そこで北浦さんの活動する「イリマニの会」で販売するチャリティ絵葉書の絵を担当させていただくことになりました。(力不足で苦労しました?)売上の利益はボリビアに送られます。吉野敏子さん

【高木】民間レベルでの国際交流ですね。では、お友達をご紹介ください。

【吉野古くからの友人で、ご自宅で編物を教えている久喜市の中西和子さんをご紹介いたします。中西さんは地域で楽しい活動をされています。

【高木】ありがとうございました。これからも音楽と絵を通じて南米との交流を深めてください。読み聞かせも期待いたします。


(吉野さんは、結婚されて幸手に越されたそうですが、本当に良かったと話されておりました。たくさんの出会いがある街で、南米の音楽と絵に触れたのも幸せの街だからかなぁと。そして、南米の空の青さと太陽の輝き、それに、夜の月と星が大きくてきれいなアンデスをぜひ一度訪れて欲しいと話されました。夢を伺うと将来アンデスに住みたいことだそうです。お話を伺っているだけで本当に行ってみたくなりました。)




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