紅葉前線も南下して行楽地がにぎわう季節になりました。(株)フレンドホーム・代表取締役の鎌田清久さんからご紹介いただきました幸手市上高野で(有)手島油店・手島ガソリンスタンドを経営する手島幸成さんにお話を伺って参りました。
(有)手島石油・サンビア幸手
代表取締役・手島幸成さん
本紙取材・高木 康夫
【高木】お忙しい中、お邪魔します。
【手島(敬称略)】鎌田さんとはゴルフを通じて知り合い23年の付き合いです。教えてあげたのですが、今では鎌田さんの方が上手ですね。師匠が良かったという良い見本です。(笑)
【高木】手島さんはいつからガソリンスタンドを始められたのですか。
【手島】開業25年になります。営団地下鉄に勤めていたのですが、何か自分で事業に挑戦したくて、ネジ等の生産工場経営を考え、勉強の為3年間、関係会社で営業等を経験しました。事業への執着は強かったのですが、新人では開拓の難しい産業のため迷っていたところ、親戚からガソリンスタンド経営の話を頂いたのです。当時はガソリンスタンドも少なく、これからの車社会と人口の増加を考え、この世界に賭けてみました。
【高木】今では地域1番店としてご盛業ですね。
【手島】当時の判断が間違っていなかったんだと思います。この仕事は3Kと言われ、今から12、13年前は人手不足で倒産する同業もおりました。私自身も危機感を持っていたので、手立てを考えなければと必死の思いでした。それと、我が家には3人の娘がおりますが娘達が親の仕事をどう見ているかが気になったのです。子供たちに聞くと「嫌いだ」という返事。身近な子供たちに親の仕事を「嫌いだ」と見られるようでは将来はありませんし、自信を持って仕事をやれるような職場環境を作る努力をしないと人手も集まらないと感じました。
【高木】そうでしたか。
【手島】基本的にきつい仕事ですから、楽しく明るい職場を作ろうと考え、アルバイトを含む従業員を対象に年間1200時間勤務するとハワイに報奨旅行という企画を立てたのです。若い人達ほど元気があり、明るくて、楽しい職場になる原動力と思っていたので、若いパワーを大々的に募集しました。今は違いますがその当時は若い人達の集まらない職場でしたので、この企画に若い人達が集まり、職場を活性化してくれました。当然、スタンドも活気があふれ、現在の明るいスタンドに改装する事も業界の中では早い時期にとりかかれました。
【高木】お嬢さんはどうでしたか。
【手島】子供たちも親の仕事を理解して上の2人は大学生と高校生ですが、共に高校生からアルバイトをしています。楽しく働いてますし、社会勉強の一つとして役にたっています。そして、お小遣いは自分で稼いだお金で賄っています。大学生の娘は大学に行きたいと塾の費用も自分の銀行口座から自動引き落としています。子供名義だったので塾から問い合わせがあり、私もそこで初めて知りました。(笑)
【高木】自立心旺盛ですね。
【手島】従業員みんなに言えるのですが「夢を待とう」という事です。そして、どうチャレンジするのかという事が、結果を恐れずに頑張れる環境を作ったものと思っています。当社は勤務時間や報酬にも意見を多く取り入れるようにしています。営業時間が朝七時からよる十時までですので7時〜13時・9時〜18時・13時〜20時という三交代制で、早番、遅番の人には1日を有効に使えるようにという考え方です。また、給料は毎年4月に今後1年間の給料について面談して決める年棒制です。1年先払いのプランですが、従業員に目標を持ってもらい、意欲を持って仕事に励んでもらいたいのです。先に目を転じれば3年後、5年後の自分を見つめる事でもあり、夢の持てる職場につながると考えております。
【高木】斬新なアイディアで職場改善されたのですね。ご自分の夢は。
【手島】若い人達にどんどん頑張って経営者になって欲しいと思い、個人的には50歳定年制と考えてます。もし、何かあればいつでもカムバックできる体制ですから、50歳からは自分の住んでいる地域の勉強をしたいと思っています。少人数でもいいから地域の人達と同じテーブルで同じ会話をし、友に勉強し、これからの地域の目標を作っていけたらと思っています。ちょっと話がそれますが、このへんのお米はおいしいですよ。当スタンドには地元の山本農園さんのお米を置いてますが大評判です。こんなにおいしいお米が近くで採れることも教えてあげたいし、もっと地域に目を向けなくちゃと感じます。
【高木】地域といえば手島さんはPTAや幸手市廃棄物減量等推進審議会会長などの公職をされてますね。
【手島】PTAは子供がお世話になるのでなんらかのお手伝いが出来ればという考えで、昨年上高野小学校のPTA会長を最後に退任させて頂きました。かれこれ10年間でしたが大変良い勉強をさせて頂きました。幸手市廃棄物減量等推進審議会は2年目になり、10月8日に幸手市長宛で昨年に続き第2回目の答申書を提出しました。来年、容器包装リサイクル法が施工されますので、家庭ゴミや廃棄物については今まで以上の市民意識を持たなければと感じます。世界的規模で環境問題が問われてますので、出来る事から取り組んで欲しいと思います。
【高木】ご苦労様です。それではお友達をご紹介頂きたいのですが。
【手島】持論で「若い人達は夢が叶う」という思いが強いのですが、自宅を設計していただいた(株)三陽不動産の三牧省吾さんを紹介します。三牧さんは設計という分野を通じて感性を表現する若さあふれる素晴らしい方です。
【高木】ありがとうございました。定年まであと五年とのことですが、次なる夢へのステップにご期待いたします。
【対談させて頂いた応接室には、ゴルフのトーナメント出場の写真や、ご家族との思い出の写真が額装され、確かな軌跡を感じる方でした】