卒業シーズンも到来し、桜前線が権現堂に近づき、春へのカウントダウンがはじまりました。本日の友達の輪は女性剣士の石井和子さんからご紹介いただきました大沢百合子さんです。大沢さんは美容室を経営されている方です。
ビューティサロン
ゆい 経営 大沢 百合子さん
本紙取材 木 康夫
【木】初めまして。よろしくお願いいたします。
【大沢(敬称略)】石井さんとは高校時代の同級生です。彼女は剣道部に所属しており、私は吹奏楽部でした。部室が向かい合っていたこともあり、友達の友達みたいな関係から親しくなりました。縁があって幸手に嫁いで参りましたので、今では地元の仲の良いお友達です。又、開店以来、大変お世話になっています。
【木】美容師になると決めたのはいつごろですか?
【大沢】小学校四年生の頃でした。叔母が美容師で、間近に見る美容の仕事がすごいと感じました。辛さの中に感動があるんですね。自分にとっては幼いながらも、はじめて将来への夢を持った瞬間かもしれませんね。高校時代も夢は捨て切れなくて、卒業後、美容師になるべく、専門学校への進学を希望したのですが、両親の反対もあって、一般事務職として都心まで通うOLになりました。しかし、どうしても事務職が自分に合わないのです。ひそかにお給料を貯めて、専門学校の学費を作ろうと考え始めました。そこで、上司に「美容師の夢をあきらめられない」と話して、1年間のOL生活にピリオドを打ったのです。
【木】それで、美容師の道を歩み始めたのですか?
【大沢】そうです。OLの1年間は学費を貯めたようなものでした。(笑)でも会社という組織の中での経験も、私にとって大変貴重なものでした。そして美容学校に入学し、その後、インターン生として就職するのですが、美容の仕事は通常の営業時間後に勉強会が毎日あります。店を出るのは午後10時か11時。都内に就職を希望したのですが、帰りの電車がなくなってしまうのです。両親の心配もあり、一人暮らしも断念し、自宅から通勤できる美容室に就職しました。
【木】独立は計画されていたのですか?
【大沢】久喜の美容室に勤めていた時に結婚をしたのですが、主人の両親と同居でしたから二人の子供が生まれても義母が子供たちの面倒をみてくれ、仕事を続けることができました。でも、美容の仕事は土日が休みではないのです。主人は土日が休みで、学校も週休2日制になり、私だけが仕事ですから、家族そろった生活を楽しむことができなくなったのです。それで、日曜だけでも休みの店に移ろうと、決意して仕事を辞めたのです。しかし、日曜休みという条件の職場はありませんでしたね。逆に、私についていてくださっていたお客様から、自宅でいいから髪をやってほしい、と電話が入るようになってしまったのです。嬉しかったですね。それを見ていた主人が、「じゃあ、自宅の横にお店を作ってしまえば」と言うのです。お客様と家族に後押しされて、とんとん拍子で開店となりました。はからずも自分の誕生日に開店日が重なり、おかげさまで今年、満七周年を迎えます。店名は、主人が髪結いの結いをひらがなで「ゆい」と付けてくれたものです。お店は予約優先で、毎週火曜日と第一・第三日曜日がお休みです。
【木】いつの間にか夢を超えて独立してしまいましたね。更なる夢はあるのですか?
【大沢】女性はいくつになってもきれいでいたいと願うものです。おしゃれをすることの第一歩は、髪から始まると言ってもいいでしょう。身体が不自由になられて来店できない方には、出張も行っていますが、大変喜んで、素敵な笑顔を見せてくださいます。美容師冥利につきるところですね。お客さまともども、若々しく、歳をとりたいと思っています。また、当店では、磁気水を使用しています。塩素を除去することで、髪と肌に優しく、イオン水で保湿し、うるおいのあるヘアスタイルをキープしています。環境にもやさしいカラー剤の使用や、パーマ液も吟味して選んでいます。
【高木】ご趣味などは?
【大沢】今でも月に1回は、都内で開かれる研修会や勉強会に行きますが、そのときに絵画展やミュージカル、お芝居などを観るのが趣味のひとつになっています。恩師の言葉に「常に一流のものに触れなさい」ということを教えられました。色々なジャンルのプロの仕事を見ることによって、感性が磨かれるということだと思います。そしてそれが、美容師としての技術に生きてくるものと思います。美容師になりたての頃、何もわからず、ピカソを観に行ったことがなつかしいです。
【木】それでは、お友達をご紹介ください。
【大沢】お客様でもありますが、緑台で「くすりやさん和来和来」という薬局を経営されている関昌子さんをご紹介いたします。とっても楽しい方ですよ。
【木】ありがとうございました。卒業式シーズンでお忙しいことと思います。お身体に無理をされないようお客様のもっている美しさを輝かせてください。益々のご繁栄をお祈りいたします。
(大沢さんはとっても気さくで明るくて、お話されたように事務職よりもお客様に接するほうが向いている方だと感じました。そして、夢を叶えるにはあきらめないということが何よりも大事なんだなと思いました)