1996年11月24日



うなぎの「まる家」の斉藤隆子さんからご紹介頂いたホテル・グリーンコア社長の金子範子さんと対談して参りました。

(有)ナビ ホテル・グリーン・コア
代表取締役・ 金子包装(株)
常務取締役・金子 範子さん
本誌取材・高木 康夫

【高木】お忙しい中、ありがとうございます。

【金子(敬称略)】斉藤さんは法人会女性部でご一緒させていただきおお世話になっており、この様な企画になっており、この様な企画にご紹介されて大変恐縮しております。

【高木】都会的な雰囲気のホテルですが、いつ開業されたのですか。

「縄屋」さんから
 転換の時期

【金子】古い話ですが、私が金子家に嫁に来た頃、当社は「縄屋」(なわや)だったんです今ではほとんど見かけなくなりましたが、農業から藁(わら)を購入し、それで縄作っていました。昔は、縄が重要な梱包材料で農業でも藁が大量に出る時代でしたから、各地に「縄屋」さんは存在していました。ところが、昭和30年代半ば頃になりますと、農業の機械化が進み稲刈り後の藁を細かくしてしまい、材料として入手するのが困難になりました。この業種の転換期を迎えていとのでしょう。

【高木】「縄屋」さんというご商売があってのですね。それでどうされたのですか?

縛る材料から
 包む製品

【金子】縄に変わるものということで、プラスチックや段ボールによる梱包製品の生産を検討しました。でも、プラスチックには技術も大きな設備も必要ということで、昭和36年ですが、今このホテルの建っている地て段ボール生産の道を選択したのです。

【高木】すると、ここは「縄屋」さんから大きな転機を乗り越えた場所でもあるわけですね。

【金子】そういうことになりますね。でも、当初は一度に大きな工場が建てられませんでしたから、学校などの大きな建物が、新築されるという話を聞くと、飛んで行って解体される学校などを一棟単位で解体屋さんから購入し、材料で運んで移築しました。移築された学校で工場が1棟1棟増えていった思い出があります。

【高木】今では、大きな機会で壊してしまう建物も解体屋さんというリサイクルの達人が活かしてくれたのですね。

【金子】おかげさまで、段ボールの需要も伸びて昭和50年に茨城県水海道に工業団地が出来る際、材料運送のコスト削減の為、段ボールの材料を生産している取引先の近隣に工場を作りました。そして、日本紙業とのご縁と、幸手工場が狭くなったことで、昭和58年に総和町に移転したのです。ですから当社の柱は段ボール業で、ホテルは昭和63年に開業したのです。

【高木】工場の跡地にどうしてホテルを作ろうと考えたのですか。

「売りに行く仕事」
 と「待つ仕事」

【金子】亡くなった主人は「俺は仕事が好きだ」が口癖なくらい、仕事熱心な人で、ホテル業を営む以前には、久喜市の大宮栗橋線沿いに「レストラン・ジロー」を経営していました。その頃からレストランと共にホテルを作りたいという構想があり、レストランに隣接して計画も立てていたようです。しかし、道路に中央分離帯ができ、お客様の入りが減ってしまい、計画は見送られました。そして工場が移転したので、跡地にてホテルの構想が甦ったのです。

【高木】懐かしいお話ですね。私も大学生の頃でしたか、何度か「レストラン・じろー」には行った覚えがあります。ご主人は色々な事業を開発されたのですね。

【金子】生前主人が、「柱である段ボール業は[売りに行く仕事]で人件費がかかるから、比較的人件費のかからない[待つ仕事]を両立させて、全体のバランスを保ちたい」と言っていました。その[待つ仕事]を切り口に事業を検討していたのだと思います。それと主人には弟がいたのですが、若い頃結核で亡くなっており、本当は弟に「縄屋」を任せて、自分の好きな数学の勉強をして、先生になりたかったようです。道を変えた以上一生懸命頑張るしかないと思ったのでしょう。

【高木】弟さんの分まで仕事に燃えたのですね。今はご主人の後を継いで金子さんが頑張ってらっしゃるのですね。

母として
 子供たちの後押しを

【金子】あまりにも早く主人が亡くなり、子供たちの準備が出来てなかったと思います。子供たちがスムーズに主人の後を継承出来るよう、母として子供たちの後押しをしているだけです。長男が段ボール業を次女がホテル業をと頑張っています。

【高木】ご長男の卓司さんは一昨年に六本木でシアターレストラン「タトゥー」を開店されましたね。

【金子】友人と共同で設立したようです。ニューヨークのお店の東京支店ということで、有名なアーティスト等のショーを見ながら食事が出来るお店です。最近では「米米クラブ」のカールスモーキー石井さんの結婚披露記者会見が行われたようです。亡くなった主人に似たのかどうかはわかりませんが、仕事には熱心に取り組んでますね。

【高木】ところで、ホテルは何室あるのですか?

【金子】シングルが中心ですが45部屋あります。幸手の工場団地への国内外出張のビジネスマンや研修等、時にはバレーボールリーグのチーム選手など、おかげさまで幅広くご利用頂いてます。展示会や会議、セミナー、新年会・忘年会、2次会などや、最近では、法事などにもご利用頂いてます。夏休みには、東武動物公園への家族宿泊客もありますので、お知り合いの方にもご紹介ください。

【高木】まさに名の通り地域で多目的に利用される核(コア)ということですね。ご家族はどんな生活を。

責任無く孫は可愛い

【金子】下の娘と一緒に暮らしています。孫は女の子5人と男の子が2人おり、おばあちゃん生活で過ごしています。親と違って子供たちを見ていると責任なく可愛いもんで、調子の良いときだけ可愛がり、難しくなると親のところへ行ってもらってます。(笑)それと、旅行が大好きです。また、ストレス解消にショッピングが楽しみになっています。

【高木】なるほど、良きおばあちゃんですね。それではお友達をご紹介頂きたいのですが。

【金子】孫の話ばかりで恐縮です。良きおばあちゃんとしてご紹介したいのですが、孫が通っている保育園が五霞町大福田にある錦織幼稚園というところで、そこの園長先生の芹沢英子さんをご紹介いたします。

【高木】ありがとうございました。これからも御一家揃ってのご活躍、心よりお祈りいたします。

【とても穏やかで、優しい雰囲気の方でした。お話の中にはご主人との思い出が多く聞け、夫唱婦随の理想像を感じさせて頂きました。】

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