ついこの間まで暑い夏だったような気がしていましたが、気が付いたら早いものでもう十一月に入ってしまいました。本日の友達の輪には「和風牛肉料理・まつもと」のオーナーシェフ松本貞雄さんよりご紹介いただいた池田油店の池田岩夫さんに登場いただきます。池田さんも松本さんとは幸手中央ロータリークラブを通じての友人だそうです。
池田油店
代表取締役 池田 岩夫さん
本紙取材 木 康夫
【木】おはようございます。ずいぶん早くからお仕事されているのですね。
【池田(敬称略)】おはようございます。午前七時という早い時間の取材をお願いしまして恐縮です。当社はガソリンスタンドと不動産業を営んでおりますが、ガソリンスタンドは午前七時からの営業です。取材の時間が今日の朝一番となってしまいました。すみません。でも、新聞屋さんも朝早いお仕事ですから大丈夫でしょう。(笑)松本さんとは幸手中央ロータリークラブを通じて知り合いました。おいしいものには目がないほうです、松本さんのステーキも時々お邪魔させていただいています。
【木】池田さんは二代目と伺いましたが?
結婚目的に
銀行に入社
【池田】そうですね。父から受け継いだ事業で二代目になります。創業は昭和三十年です。私は大学を出て武蔵野銀行に六年間勤めました。結婚を目的に入社したのですが(笑)在勤中に社内恋愛で大願成就と言いますか、現在の妻と結婚をすることとなり、めでたく銀行を退職し、昭和五十四年に池田油店の後継者として入りました。その当時は、いわゆるバブル直前でとても景気がよかったものですから車の販売台数も伸びていて、ガソリンスタンドとしてはとても忙しいでした。ですから、昭和六十年頃まではガソリンスタンドが乱立しました。当社も景気に乗って杉戸に二号店を計画しました。ところがスタンド用地として購入してあった土地の隣接地に別なガソリンスタンドが開店してしまったのです。
【木】先を越されてしまったのですね。
【池田】当時、自分はバブル景気に触発され、経営に対する考え方も多店舗化していく道を選択しようとしていました。しかし、スタンドは投資額が大きいこともあり、仮に杉戸に二号店を開設していたら共倒れになった可能性も高かったのではないかと思っています。現に幸手市内でも三〜四年の間に四つくらいのスタンドが大型スタンドに押されて閉鎖しています。ですから、私どものケースでも隣接店の開店がなかったらと思うと、運も味方してくれたのかなと思っています。
【木】原油も上がり、ガソリンも実勢価格が上がっていますね。ガソリンスタンド経営も大変な時代ですね。
【池田】そうですね。私たちの業界はこれからどんどん変革していくと考えています。そして燃料間の競争が激化してくるものと思います。例えば車の燃料で考えるならば、現在はガソリン、軽油、天然ガス、電気、水素ガスなどですが、公害や地球温暖化などに対処するためどれが主流になるかはわかりません。ガソリンの高騰による影響が出てくるものと思います。家庭においては安全が重要視されるようになりオール電化住宅なども誕生しています。生き残るためにはエネルギーが石油系から電気系へそして太陽熱などに移っていくのではないかと感じます。ずいぶん先の話なのかなと思う人もおりますが、ハイブリッドカーなども高い販売台数を確保しており、収益をあげるにもガソリンスタンドだけでなく収入の入る道を多角化していかなければならないと感じています。
【木】大変な時代ですね。何か経営に対する考え方をお持ちなんですか?また、いろいろな役職もお持ちのようですが?
身の丈経営と
無借金経営
【池田】身の丈にあった経営を基本理念としています。父の経営方針から学んだことですが「事業が大きくはならないだろうが転ばない」ということです。ですから、多店舗化という道ではなく、無借金経営を実践し地道に業務を行っております。そして、現在は不動産業についても力を入れておりますが、土地や物権の賃貸業務をはじめ不動産の売買などを行っております。久喜地区防火安全協会の会長職を拝命しております。久喜、菖蒲、宮代、鷲宮、栗橋にあるガソリンスタンドや工場などの約五百の大型施設において定期的に各職場単位で自衛消防隊の育成や指導を行ったり、防火思想の普及活動や危険物取扱実務者の研修会などを開催しています。余談になりますが、最近、地震が多く感じられますが、ガソリンスタンドは消防の建設基準が厳しい中で建設されていますので、とても安全な施設です。新潟地震でもガソリンスタンドの被害がなかったくらいですから、地震で逃げ場がなかったらガソリンスタンドに逃げて下さい。
【木】お忙しいようですが、趣味などは?
涌水めぐりで
リフレッシュ
【池田】浅草などの下町を歩くことです。特に水辺が好きです。水は生命の源と思っております。「涌水めぐり」といって関東甲信越の名涌水地を歩いては水を汲んできています。20リットルのポリタンク15缶、つまり300リットルを涌水地から車で積んできて毎日の食生活に使う水として利用しています。光を通さないポリタンクに入れてありますから冷暗所に保存しますと三〜四ヶ月は持ちますね。口に入れるものにはすべてこの水を使っています。現在は栃木県塩谷町にある尚仁沢涌水という場所によく行ってます。高速道路で行くと矢板インターから30kmくらいのところです。夜中に自宅を出て行って片道二時間くらいで着きます。ここの水は無味無臭で軟水ですが、車を留める所から水場までが30mくらいと近いのです。重い水を運ぶには水場までの距離が近いことは重要なんです。その他、群馬県の箱島涌水などにもよく行きました。それと、涌水地はマイナスイオンで溢れているのです。ゆったりとした気分でリフレッシュできますよ。
【木】体によさそうなおいしいお話ですね。では、お友達をご紹介ください。
【池田】同業ですが、山下燃料店の山下さんを紹介します。
【木】ありがとうございました。おいしい水を飲みながら健康に留意されてご活躍下さい。(池田さんはとてもお忙しい方で公職もたくさん兼ねており職場にいる時間も限られるようです。そんな中で、社長自ら朝一番でスタンドの仕事につく姿勢は経営者として学ぶところがあるように感じました。生命の源であるおいしい水が体の隅々まで伝わっているのでしょうか。とてもパワフルな方でした)