2006年7月2日



梅雨空に紫陽花がきれいに咲き、ワールドカップも終盤をむかえ寝不足気味の方も多いことと思います。さて、本日の友達の輪にはエレクトーン講師である寒河江紀代子さんからご紹介いただきました活田(いくた)桂子さんに登場いただきます。活田さんは坂東流の師範として子どもたちに日舞を指導されているほか,学校図書館協力員としても活躍されている方です。

坂東流 師範 
学校図書館協力員
活田 桂子さん
本紙取材 木 康夫

【木】こんにちは。本日はお稽古のお忙しい中、取材の時間をいただき恐縮しております。よろしくお願いいたします。日舞は幼い頃からやられているようですが?


【活田(敬称略)】こんにちは。寒河江さんから「友達の輪」の連絡を戴きびっくりしました。こちらこそよろしくお願いいたします。日本舞踊に関しましては、母が坂東晃三洋(ばんどうこうみょう)という日本舞踊の師範でしたので、気がついたときにはやっていました。私の記憶では二才位から踊っていたような気がしますね。私も坂東流の師範で坂東寿和(ばんどうじゅな)といいます。現在は実家がある春日部で母と共に日本舞踊を教えております。坂東流の家元は歌舞伎役者の坂東三津五郎さんで、私も家元には何度となく稽古をつけていただいております。とても素晴らしい方ですよ。

【木】二才からですか。辞めたいと思ったことはなかったのですか?

母と師匠の
ケジメがつかない

【活田】そうですね。辞めたいと思ったことは何度もあります。やはり、お稽古をつけてくれるのが母でしたから、自分の中で母と師匠のケジメが出来なかったのですね。ですから師匠でなく母に対して反抗していた時期もありました。でも、基本的に活田桂子さん踊りが好きで、自宅に舞台があってお弟子さんたちが稽古をしているのを間近に見ていましたから辞めずに来られたのだと思います。もちろん、日舞だけでなく中学高校時代はバレーボールに夢中の時期もありました。踊りにがんじがらめでなく週二回程度のお稽古だったことも続けられた一つだと思います。結婚して二人の男の子に恵まれましたが、子育てしながら踊っていました。おんぶして踊ったり、下の子がお腹にいる九ヶ月まで踊っていました。(笑)今になってみると続けられたことがとてもありがたく思えます。もちろん、主人の理解と協力がなければ出来ないことですから主人にはとても感謝しています。

【木】踊りをされていて何か想い出に残っていることなどありますか?

ローマ法王の
御前で日舞

活田そうですね、一九九二年のことですが、バチカン宮殿の謁見の間においてローマ法王ヨハネパウロ二世の御前で母と仲間と共に「さくら」を踊らせて頂く機会に恵まれました。ローマ法王と謁見に来ていた七千人の教徒の方たちの前でお琴の演奏で踊ったのですが、身に余る光栄な事に緊張の連続でした。また、踊りが終わってローマ法王の御前に行き、お言葉をいただくと共に握手までしていただいたのですが、その時のやわらかくてあたたかな手のぬくもりは今でも忘れることはできません。その後、法王庁から母のもとに羊の皮でできた彩りの鮮やかな感謝状が届きました。今では家宝として貴重な想い出と共に大切にしまってあります。

【木】それはすごい経験ですね!夢などありますか?

いつかは幸手で
お稽古が出来たら!

【活田】夢ですか?そうですね。日舞というと敷居が高いと感じられる方もいらっしゃると思いますが誰でもお稽古できます。また、何才から始められても大丈夫です。お活田桂子さん稽古に来ているお弟子さんには二才数ヶ月で始めたお子さんから七十、八十の方までいらっしゃいます。最近は畳の上で暮らす生活が少なくなってきています。日舞は日本の伝統芸能ですし、畳の文化に生れたものです。踊りの中には着物のたもとや袖を持ったり、つまを取ったりといった仕草もあって、着物でないとわからないポーズもあります。そのような中から日本の礼儀作法も学べますし、姿勢も良くなりますからたくさんの方たちに体験していただければうれしいですね。いずれは幸手でもお稽古を始めたいと思っています。

【木】地域活動では学校図書館協力員もされているようですが、どんなことをされるのですか?

地域活動にも
積極的に

活田学校図書館協力員は幸手市では四年位前に出来たものです。幸手市内の小中学校十四校に各一名の学校図書館協力員が配置されています。週に二日、三時間程ですが担当する学校に行って図書の充実のためのお手伝いをしています。私は八代小学校が担当です。八時二十分から二十分間、月二回平均で各学年へ本の読み聞かせも行っております。私は、自分が小学生だった頃、小学校の先生にとてもあこがれがありました。それで、大学に進学して教職の資格も取得したのです。でも、違う道を選択して先生にはなりませんでしたから、現在の協力員という仕事は子どもたちとも触れ合え、とても楽しく感じています。

【木】素敵ですね。では、お友達をご紹介下さい。

活田主人と二人の息子が親子共々お世話になっている空手の指導者で、矢野剛敏さんをご紹介いたします。

【木】ありがとうございました。これからも日本の伝統文化である日本舞踊の指導にご活躍下さい。そして、幸手市でもお稽古が開かれますよう期待いたします。
(真剣なまなざしで子どもたちに指導される活田さんはとてもいきいきされており、和服姿の出で立ちの中に日本文化の美しさを垣間見たような気がいたしました。また、春日部において母である坂東晃三洋さんと共に文化庁の委嘱事業を受けられているようです。「伝統文化こども教室事業」というもので、「思い出づくりの日本舞踊こども教室」で日本の伝統文化である日本舞踊を子どもたちに来年三月まで二十回ほどのカリキュラムで指導されるようです)




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