2007年8月12日



夏休み最後の日曜日。県知事選の投票日にも重なりました。それにしても異常な暑さですね。まだまだ残暑厳しい夏になりそうです。さて、本日の友達の輪にはカイダ接骨院の会田俊雄さんからご紹介いただきました野本広吉さんに登場いただきます。野本さんは上高野で野本米店を経営されており、現在は以前にこのコーナーにも登場した息子さんに代表を譲り会長職をされています。

野本米店 
会長 野本 広吉さん
本誌取材 木 康夫

【木】こんにちは。今年の夏は本当に暑いですね。会田さんから「春高の同級生で民生児童委員などを永くされた方」とご紹介いただきました。よろしくお願いいたします。お仕事について伺いたいのですが?


【野本(敬称略)】私でいいのですか(笑)よろしくお願いします。会田さんとは春高の同級生で、とても親しくさせていただいています。今でも柔道の指導者として活躍されているすばらしい方です。当店は父が戦前に精米業として創業しました。精米屋というのは農家が作ったお米や麦などを精米、精麦する仕事です。昭和二十九年に法人化しました。当時は農産物の加工が中心でした。私は昭和三十五年に結婚と同時に入社し二代目となりました。現在は長男が三代目としてがんばって継いでいます。

【木】お米専門店が少なくなってきましたが?お米の消費に変化があるのですか?野本広吉さん

食べることは命の源
付加価値販売を実践

野本私が入社した頃はオリンピック景気に沸いた時期でお米の消費も伸びていました。しかし、昭和五十年以降は仕事の内容の変化と生活スタイルの変化等でお米の消費量は減少しました。特に家庭用は外食産業の増加もあり、お米の小売店はどんどん減ってしまいました。当幸手市内でも十五〜六軒のお米屋さんがありましたが、法改正等によりスーパーやドラッグストアなどで扱うようになり、現在ではお米屋さんは三分の一ほどです。それで、当店ではお米の販売に付加価値をつけようと考えました。「食べることは命の源」ですから安全で、安心して、おいしいお米を、お客様の目の前で注文に応じて精米しての販売を十五年ほど前から行っております。また、病院、大学、工場などの業務用卸販売にも積極的に取り組んでおります。そのほか東北産もち米を原料にした、のし餅、生きり餅の生産、そして、地域活性化として桜をテーマに「桜福餅」というオリジナル商品を開発したり、最近ではおにぎりや創作弁当等も手がけています。

【木】地元産のお米はいかがですか?

土壌がいいので
隠れたブランド米

野本幸手にもおいしいお米があります。権現堂地区や行幸地区、上高野地区などAランクのお米が採れます。この地域は古利根川の関係で圃場の土が砂地なので排水がよくおいしいお米が採れます。でも、収穫できる量が少ないので一部にしか流通しないのです。お米は一般的に品種によって異なりますが、幸手産が食味計で魚沼産のお米を上回る数値が出たこともありますので、一部の消費者からはブランド米と慕われております。川口や岩槻、春日部などからわざわざ来られて幸手のお米を購入する方もいるほどです。もちろん、東北産や新潟産といったお米の本場からもおいしいお米を吟味して仕入れをして販売しております。また、稲作農家として十五アールほどの耕作をして毎年その年の出来具合を知り、仕入れの参考にしております。

【木】作っているからこその情報ってありますよね。地域奉仕として民生児童委員や子ども会の地域活動も若いときからされているようですね。

親子が一緒に行動
悪い子は育たない

野本自分で言うのもなんですが若いころは元気があり、仕事も遊びも地域活動も頑張りました。民生児童委員は三十歳代で推薦され、辞退したのですが受けることになってしまいました。当時は担当地区の世帯数も少なく大きな問題もなく若い私でも大役を務められたのでしょう。その後住宅開発が進みマンションが出来、急激に世帯数も増え、ライフスタイルも変化してきましたから、民生委員としての役割も増加してきました。民生委員の仕事はクライアントの事情をよく聞き、ケースに応じて親身に対処してスムーズに解決することが大事なことと思いながら、かれこれ三十数年間務めさせていただきましたが、数年前に体調を損ね退任させていただきました。地域での子ども会活動では、当時上高野小が移転し校庭が未整地だったので子ども会とPTAの皆さんで協力しあい、知り合いからブルトーザーを借りて三日間で整地して盆踊りを開きました。おかげさまでコミュニケーションあふれた子どもたちが育っていきました。親も子どもと一緒になってひとつのことをやればよい子どもたちが育つと思います。
野本広吉さん
【木】コミュニティの基本ですね。ところでご趣味などは?

地域に貢献できれば
前向きチャレンジ

野本趣味はたくさんありますが、現在は旅行ですね。夫婦で国内旅行と時には海外まで杖を持って出かけています。昨年の秋は友人にイタリアに行こうと誘われちょっと心配だったので遠慮しましたら「車椅子を持って行くから大丈夫」と言われ、イタリア旅行に連れて行ってもらいました。おかげで楽しい思い出が増えました。お友だちに感謝し車椅子の重要性もしみじみと感じました。それで、感謝の気持ちをこめて社会福祉協議会に車椅子を寄付させていただきました。

【木】そうですか。では、お友だちをご紹介下さい。

野本幸手東さくら通りで「マルキヤ家具店」を経営されている柳下君子さんを紹介いたします。

【木】ありがとうございました。これからも健康に留意され、安心でおいしいお米の供給をお願いします。(野本さんは幸手に民謡会をひろめた方で、伴奏の尺八を吹きすぎ声帯ポリープ手術を二度もされたそうです。何事も元気いっぱいに一生懸命取り組む方という印象を受けました)




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