1997年2月23日



今年も早いものでもうすぐ桃の節句です。今回は幸手市中4丁目の桑島犬病院の桑島修さんと対談してまいりました。

桑島犬猫病院
副委員長・桑島修さん
本紙取材・高木 康夫

【高木】こんにちは。渡部弘子さんよりご紹介いただきましてお邪魔しました。渡部さんのクロベエ(ラブラドールレトリバー犬)の命の恩人と伺っていますが?

【桑島】私にも印象深いことでしたが、クロベエが偏平性上皮ガンというガンにかかり、様子がおかしいので診察に見えたのです。そのとき、クロベエの体のわずかな変化を見つけられ、その細胞を病理検査に送る事ができたのです。人間でもそうですが、犬でもガンの早期発見は命を救うことになりますので、そういう意味で恩人とおっしゃったのでしょう。

【高木】そうでしたか。犬にもガンがあるのですね。

動物にも成人病

【桑島】長寿に伴いガンが増加してきているのは事実です。乳腺など体の表面にできるしこりは飼い主さんが気を付けていれば早めに発見できると思います。昔は、フィラリア虫による病気が1番多かったのですが、最近では有効な予防薬の開発で、フィラリア症は著しく減少しています。動物に対する医療技術の進歩ということです。他の病気では心臓病や肝臓病、痴呆症なども増えてきています。生活が豊かになり、成人病が多くなった人間と同じように動物にも多くなっているのは皮肉ですね。(苦笑い)

【高木】動物の飼い方など変化があるのでしょうか?

しつけの大切さ

【桑島】私たちは毎日診察をしてますが、そこで1番感じるのが躾です。日常茶飯事のことですが、動物を診る時には噛まれたり、引っかかれたりします。動物にとっては診察されることなど関係ないことですから、責任はありませんが、躾がしっかりされている動物は診察時におとなしくしていますね。最近になって、動物心理学的な分析が行われて育てかたや躾の仕方などといったマニュアル本が出てきましたが、全体的に動物に対して過保護になっています。「成人病もそうですが、動物になめられてますよ」と言いたくなるときもあります。(笑い)

【高木】生傷が絶えませんね。(笑い)桑島さんは代々犬猫病院を継承されているとか。

兄の進路と
 自分の進路

【桑島】大正時代に祖父の己義(みよし)が開業し、現院長である父、盛代(もりよ)が二代目を継ぎ、私は次男ですが三代目を継ぎました。

【高木】次男なんですか?

【桑島】兄とは4歳離れ、私が中3のとき、つまり、兄が高3で大学受験で進路を選択するときのこと。兄は長男ですから、当然、獣医という道を考えていたのでしょうし、親も期待をしていたと思います。でも兄は自分には向いてないと思っていたらしく、家族で話し合う機会がありました。私は将来のことなどほとんど関心がなかったものですから、兄が困っているようでしたので、「それじゃ、僕がやる」となんにも考えずにこの道を選択しました。兄は「そうか、お前がやってくれるか」と喜び、自分の進みたい道へ進み、現在にいたってます。ですから、三代目はやはり兄が決めたようなものですね。方向が間違わぬよう日本獣医畜産大学に学び、卒業後は都内で見習いをして、平成2年4月から幸手に戻って今年7年目になります。

【高木】当時の中学生としては進路を決めるのが早かったんですね。きっと、仲の良いご兄弟で、お兄さん思いなんですね。開院の時間などは?

一日中
 動物たちと一緒

【桑島】水曜日が休診日で、それ以外の平日は午前9時から午前12時までと午後4時から午後8時(3月からの開院時間、2月中は午後診察は午後7時まで)まで開院しています。午後の診察は4時からですが、午後の1時から4時までは手術しています。

【高木】手術というと?

【桑島】ガンの手術や避妊や去勢手術です。ですから、当医院では先生も3人体制です。

【高木】お忙しそうですね。自分の時間や趣味などは?

【桑島】この仕事につく以前はのんびりしていて、良い仕事かなと思っていたのですが、実際やってみると結構忙しいもんです。趣味はソフトボールと将棋、そしてあまり上手くないゴルフといったところです。ソフトボールはこの地域に雷青会という雷電神社を中心とした青年会が古くからあって、そこのソフトボールチームでかれこれ20年やっています。サンダースというチーム名で、幸手市体協の一部リーグに所属しています。ポジションはセンターかライトで、毎週日曜日にみんなで練習しています。15名のメンバーがいますが、新規メンバーも募集していますので、希望の方は私までご連絡ください。(TEL42・0215)将棋は本を読んで手を研究したりするのが好きで、ゴルフはハンデ30というレベルです。また、幸手青年会議所に入っていてまちづくりり運動にも興味を持っています。同会も会員を募集してます。あわせてご連絡ください。

【高木】そうですか。いろいろとご活躍ですね。ところで、桑島さんも動物を飼っていらしゃるのですか?

飼った動物とは
 生涯の付き合い

【桑島】私が幸手に戻ってこの仕事に就いたころから、「ナナ」という犬を飼っています。実は、ナナは交通事故にあって私どもの病院に連れてこられたのです。診ると前足と後ろ足一本ずつが骨折していました。手術やその費用について飼い主に説明すると元々番犬として飼ったのだが番犬の役目をしないので、手術をしないで処分して欲しい 」と置いていかれました。自分としてもこの犬の将来を考え、処分することも考えましたが、いずれにせよ手と足を直してからと、手術を施しました。結局、完治したら手放せなくなり、家族となって7年です。ですから、しばらくは名前が無くて、「名無しの・・」から「ナナ」という名になりました。いまでは、新薬の味覚もしてくれます。(笑い)動物を飼うときには生涯連れ添うという気持ちを持って飼ってください。人と動物の絆の重要性及び必要性を社会にに広めるために、CAPP(コンパニオン・アニマル・パートナーップ・プログラム)という動物に触れ、精神的に豊かな感性を提供できるボランティア活動も盛んに行われていますよ。

【高木】伺ってますと桑島さんは地域密着型の生活を各所でさてていらっしゃいますね。これからもご活躍を期待します。では、お友達をご紹介ください

【桑島】幸中、春高と同級生で、幸手市千塚で宮田歯科医を開業している宮田幹郎(もとお)さんを紹介します。宮田さんのお父さんは昔牛を飼っていて、私の父がその牛を診ていたという、親子2代にわたり縁のある人です。

【とても、前向きな清潔感あふれる方で、素直な真面目さを持つ好青年でした。】

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