今回の友達の輪には(有)プリンテック代表取締役の佐々木稔さんからご紹介いただいた藤元和枝さんに登場いただきます。藤元さんはアンサンブル花という女声コーラスの代表を務めている方です。
アンサンブル 花
代表 藤元 和枝さん
本誌取材 木 康夫
【木】こんにちは。元看護士さんで退職された後にアンサンブル花を立ち上げられたと伺いました。本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、看護士さんになろうと思われたきっかけなどありますか?
【藤元(敬称略)】こんにちは。こちらこそよろしくお願いいたします。看護士へのきっかけですか?そうですね。母が体が弱かったこともあって、子どもの頃から自宅に医師と看護士さんがよく往診に来てくれました。母に接する看護士さんは患者との関係ではなく、友人のように接してくださりました。どんなに大変なときでもいきいきと母に接してくれる姿を見て、子ども心でしたが看護士にあこがれをもったのでしょう。それで、学校を卒業したとき普通のOLになるよりも看護の道を選択したのです。でも、実際になってみると「看護士という仕事は責任があってとても大変な仕事なんだ」と感じました。以来ずいぶん長く務めてまいりましたが、二年前の六月に退職しました。
【木】お疲れ様でした。看護士とアンサンブル花の関係があるそうですが?
寝たきりにさせない
リハビリ
【藤元】看護士としての最後の職場が春日部の病院でした。病院にはご老人が多く入院されていて、毎日ベッドで白い天井を見ることが多い入院生活でした。春日部の病院では寝たきりにさせないというリハビリを行っていましたが、それだけでは充分ではないと考え、音楽を聴かせてリハビリを行うことを提案したのです。起きた状態でお話をしたり、童謡や唱歌などを聴いて歌ってもらったりするのです。適度な有酸素運動にもなって心身のリハビリ効果を上げるのです。私が退職してからも行われていましたが、しばらくして看護士長さんから「音楽を用いたリハビリをもっと行いたいので、どういう形でもいいから音楽を持ってきてくれないだろうか?」と相談されたのです。それで、仲の良い友だちに事情を話して「女声コーラス隊を作って病院で歌いたいのだけれど」と声を掛けたのです。その友人が積極的に動いてくれ、あっという間に十数名のコーラス隊が出来ました。続いて指揮者とピアニスト探しです。これもタイミングよく、指揮は元校長先生、ピアニストは子育ても終わりピアノの活動をと考えていた友人のお嬢さんが引き受けてくれました。こんなにも早くと思うほど、とんとん拍子で結成されたのです。
【木】印象に残っていることなどありますか?また、これからの夢は?
【藤元】月に三回の練習を行い、いよいよ病院への訪問です。最初は緊張しましたし手探りだったのですが、患者さんからの要望などを聞いていくうちに花笠音頭などの民謡や青い山脈、りんごの唄などのナツメロを歌ってほしいという声などに応えるようになりました。また、患者さんが楽しそうに楽譜を見ながら一緒に歌って下さるのです。「幸せなら手をたたこう」のような動きのある歌では一緒に歌い体を動かしてくれるのです。今まで無表情だったおばあちゃんが五、六曲目くらいから涙をこぼされたり、喜んで手拍子されたり、人と人とのふれあいが元気やリハビリになっているのです。とてもうれしく思いました。これからの夢ですか?そうですね、アンサンブル花として大きなことではないのですが、私たちは歌を提供して喜んでいただきたいと思っているのですが、実は、私たちが元気や感動をいただいているという気がしています。歌が終わって帰るときに「今日も来られてよかったね。」とみんなで感動しています。今では病院のほか老人ホーム障害者施設などにも訪問させていただいております。
【木】シャンソンも歌っていると伺いましたが?ご趣味ですか?
シャンソンって
小粋でお洒落
【藤元】両親の影響かもしれません。父がとてもモダンな人で、音楽が大好きだったのです。また、母もシャンソンが好きでしたから、我が家はいつも音楽が流れていていました。それで、私も自然に音楽を聴くことが好きになっていました。きっかけは八年程前に春日部の読売文化センターでシャンソン講座があることを知って趣味でシャンソンを勉強し始めたのです。一年程通って、もっと勉強しようと指導力のある大宮の先生のところに移りました。シャンソンは訳詞家の方が日本語に直します。日本語表現となると字余りが多いんです。先生にこの歌「あなたはどう思う?」と聞かれ、何度も歌詞を朗読しなさいと注意されたりしています。でも、この歳になって注意されたり指導されたりすることがなくなって、逆にそれが心地よかったりしています。シャンソンを思うとき「小粋でお洒落でちょっともの哀しくて」まさに人生かなと思います。趣味は他に旅行ですね。世界遺産に興味があって今年は北フランスのモンサンミッシェルに行って来ました。
【木】素敵ですね。では、お友達をご紹介下さい。
【藤元】個人的に歯の管理をしていただいている那須歯科医院の那須豊徳先生をご紹介します。孫も先生にお世話になっており孫に言わせると「世界で一番上手な歯医者さん」です。
【木】本日はお忙しい中ありがとうございました。益々のご活躍をお祈りいたします。
(藤元さんは時間があると浦和や四谷のシャンソンのお店に行ってシャンソンを聴かれるそうです。特に四谷の「蟻ん子」というお店で聴ける「しますえよしおさん」のシャンソンは涙がこぼれてしまうほどだそうで、藤元さんのお話だけで一度聴いてみたくなりました。)