2008年12月7日


景気が悪いという印象が強い師走ですが、街では不景気風を吹き飛ばすようにクリスマスイルミネーションが輝いています。早いもので今年も残すところ三週間を切りました。さて、本日の友達の輪には(有)エムアンドエムトレーディング代表取締役の清水 緑さんにご紹介いただいた根本康治さんに登場いただきます。根本さんは五霞町で潟Nォリティーという作業用品のお店と会社を経営されています。

潟Nォリティー
代表取締役 根本 康治さん
本誌取材 木 康夫

【木】こんにちは。清水さんから根本さんご夫婦と親しくさせていただいているとご紹介いただきました。よろしくお願いいたします。


【根本(敬称略)】こちらこそ、よろしくお願いいたします。清水さんには特に妻が親しくさせていただいており、いつもお世話になっています。

【木】脱サラで事業を興したと伺いましたが?根本康治さん

体調崩し脱サラ

根本そうですね。元々は製造業の会社に勤めるサラリーマンでした。十年ほど勤めたのですが、体調を崩してしまいました。それと、結婚したばかりで転勤の話があり、この機会に転職をしようと思ったのです。それで、いつか自分で事業を興そうと考えたのです。とは言っても何をするにしても製造業しか経験がなく、販売や営業経験が全くなかったものですから、まず、退職して三社の会社を経験しました。最初は工具の販売会社、次にガス器具の販売会社、そして、作業着問屋と平成三年くらいまで勤めていました。作業着問屋に勤めていたときに作業着の小売部門がまだ少ないことに気がついたのです。当時はワークマンさんぐらいでしたね。ところが、このビジネスはお店に来店されるお客様を待つ商売で、配達や営業などは行われていなかったのです。そこで、すきま産業になるわけですが、営業経験を活かして販路を拡げさらには配達することで他店との差別化をはかれば、このビジネスは面白いと考えたのです。

【木】なるほど、すごいところに着目されたんですね。

掛け持ちで日銭

根本でも、両親や家内には大反対されました。バブルがはじけて二年くらいの時期で、景気もよくありませんでした。それと、家内は商人の娘でしたから商売の大変さを見てきたのでしょう。営業経験も十分でない私には厳しいものが待っていると思ったようです。最初は一軒のお客様もいらっしゃいませんでした。子どもも小さかったし、ミルク代も稼がなければならない状況でしたから、毎日毎日飛び込み営業を続けました。闇雲に営業していても効率も悪いので、「今日は四号バイパスを下っていこう。」とか「今日は十七号を上っていこう。」など、自分を信じて頑張りました。しかし、なかなかお客様が見つかりません。始めたばかりで実績も信用もない訳ですから仕方ないのですが、先輩や仲間から励まされたり応援されたりしながら営業していましたね。それでも収入がないので見かねた仲間が「ペンキ塗りの仕事手伝わないか」とか「送迎バスの運転手をやらないか」と声をかけてもらい、副業で日銭を稼ぎながらの毎日でしたね。なんとか目鼻が立ってきたのは四年目に入った頃でした。少しずつお客様が増えていったのです。大きなメーカーのすきま産業として始まった事業ですが、私たちのような小さな企業として出来るサービスは「夜でも休みの日でもお客様のニーズに応え、フットワークを活かす」ということでした。

【木】取引先も広いようですね。また、商品アイテムがたくさんあるようですね。

根本康治さん

ボルト一本から

根本はじめた当初は軍手や作業着などが中心でしたが、今ではボルト一本から工具や溶接機、さらには製造業のラインシステムまで取り扱っています。作業用の手袋を例にしても以前は軍手なら六十七種類、ゴム手、革手などを合わせると三百種類もありました。用途によって違うのですが、今はメーカーも用途を広げた仕様の手袋に切り替え種類を減らしています。それでも、たくさんありますね。主に土木関係や建設関係からの受注が多いのですが、景気が後退してきて厳しいものが押し寄せています。一年半くらいは営業努力で現状を維持しなければと考えいます。商品ですがアイテム数はかなりの数になります。以前はそれなりの在庫を抱えていましたが、今では宅配システムが発展してきましたから、注文して翌日には納品されますので、営業範囲も全国規模になっています。飛び込み営業からスタートしたお取引先も、一番多いのは埼玉県近県ですが、宅配システムを利用して全国に伸びています。建設業のお得意様ですが、北海道の襟裳岬まで納品しています。当社は作業用品の総合商社として品質第一をモットーに創業しました。それで、社名も「クォリティー」なんですが、「あらゆる産業をサポートする」が当社のキャッチフレーズです。

【木】これからの夢などは?また、気分転換の趣味とかは?

根本そうですね、仕事をしていて一番うれしいと感じるのは「あそこに頼めば何とかしてくれる」という信頼ですね。製造業のお客さんからラインが止まってしまって困っている。なんとかしてくれないか?」という連絡をもらいすぐに対応して感謝されたことがあります。苦労もありますがこのようなうれしさもあります。夢になるのでしょうか、うれしさを共感できるスタッフをあと四、五名増やして事業を拡大したいと思います。趣味はゴルフですね。お付き合い程度のゴルフですがアベレージは百くらいです。

【木】リフレッシュは大切ですね。では、お友だちをご紹介下さい。

根本猪俣工業の猪俣武典さんをご紹介します。ノベルティや販促品などの卸や販売の会社を経営されています。

【木】本日はお忙しい中ありがとうございました。益々のご繁栄をお祈りいたします。
(根本さんは起業当時の苦労話をしてくれました。印象深いのは、創業時は子どもたちの成長期で、小学校の運動会や授業参観にも行けず、子どもたちには迷惑をかけてしまったと話してくれたことです。根本さんの座右の銘は「誠実」だそうで、人間としてのやさしさを感じる方でした。)




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