2009年8月16日


夏真っ盛りの日曜日、お盆休みも今日までという方も多いようです。各地では帰省ラッシュや行楽で交通渋滞も激しいようです。お出掛けはゆとりをもって行きたいですね。さて、本日の友達の輪には絵を趣味とされている坂田栄男(しげお)さんからバトンを託されたピアニストの菊地美涼さんの登場です。菊地さんは早稲田大学の学生ですが、小さい頃よりピアノコンクールなどで活躍されています。

早稲田大学
二年生 菊地 美涼さん
本誌取材 木 康夫

【木】こんにちは。坂田さんより「地元でピアニストとして活躍されている菊地さんと言う若い方にバトンを渡したい」とご紹介いただきました。よろしくお願いいたします。ピアノを始められたのはいつ頃なんですか?

【菊地(敬称略)】坂田さんにはこんなチャンスをいただき感謝いたします。ありがとうございました。ピアノは私が四歳の時に始めました。きっかけは、私の周りの子たちがみんなやっていたので、私もやってみたいなぁと思ったことです。それ以来ピアノ歴は、十五年くらいになります。ピアノをずっとやろうと思ったのは小学校に上がってからで、ピアノがとても好きだなと思い、もっと難しい曲に挑戦していきたいと思うようになりました。

【木】辞めたいとか思いませんでした?練習も大変でしょうね?菊地美涼さん

毎日四〜五時間

菊地そうですね。大好きなピアノですが、毎日の練習はとても大事で欠かせないため、学校から帰って何時間も練習をしました。幼稚園の頃からヤマハの音楽教室に通っていましたが、マスタークラスに入るためのオーディションに合格するために、毎日大体四〜五時間は練習していたと思います。練習の時間を取るためにお友達と遊べなくてさみしい思いをする時もありました。ピアノをずっとやっていくのに、将来が見えないという不安とか、そんな時もありました。でも、小学校二年生のときに、埼玉県の大きな大会に出て賞をいただきました。確かその時にこれからもピアノをやっていこうと思ったのです。まさか自分が優勝を出来ると思わなかったのですが、とてもうれしく思いました。その後も、全国大会などに何回か出場しました。小学校五年生のときに全国大会で三位になったことも思い出のひとつです。

【木】国際大会でも活躍されていますね?

初の世界で優勝

菊地ピアノのコンクールは国内でも世界規模でもよく開催されています。私も、世界大会に時々出場できる機会をいただいてきました。中学校一年生の時に、先生のご紹介でドイツで毎年行われる年齢別の世界大会に出場しました。エトリンゲンという町で開かれました。世界からたくさんのピアニストが集まって、一週間ぐらいの滞在で、コンクールは二日間行われました。初めての世界大会経験でしたが、優勝してしまったのです。自分では演奏は手ごたえがあったのですが、自分の名前が呼ばれたときは本当にびっくりしました。とてもうれしかったです。その時は幸手中学校に在学中だったのですが、優勝して帰ってきたときに、部活動と違って個人的にやっていることでしたので、それほど周囲が盛り上が るでもなく過ぎていきましたが。(笑) 高校一年生の時はチェコで行われる世界大会に出場しました。その時は、母と一緒に行きましたが、ここでも優勝することができました。高校三年生にはドイツへまた行きました。ドイツでの大会は五位でした。他に国内大会も盛んに行われているので調整して参加しています。

【木】世界でも好成績ですね。これからの夢は?

予選落ちも経験

菊地今年も大きな世界大会がスペインで開かれ、ピアノの先生が勧めてくださったので挑戦してみようと思いました。三月の二週間くらいでしたが、親友も同行してくれると言うのでスペインまで行ってきました。この大会は最後の審査に残れるのは三人だけで、この三人はオーケストラと一緒に演奏できるというものです。一時間弱の曲を順々に演奏していくという形です。残念ながら私は予選落ちしてしまいました。でも、いつか最後の審査まで行きたいと思っています。そして、帰ってきてから六月に自ら主催のリサイタルを開催しました。二時間くらいの演奏を一人で行いました。ピアノを人前で演奏するということは小さいころからずっとやってきましたが、すべて自分でやるっていうのはかなりプレッシャーを感じました。でも、無事に開催することができて本当に良かったなと思っています。これからもこういうリサイタルは、ずっと開いていければと考えています。これからの夢ですか?今までやってきたように国内でのコンクールに参加しつつ、来年あたりに留学したいなと思っています。留学先はやはり音楽の都、ウィーンが候補の一つです。そして将来的には世界的に通用するピアニストになりたいです。そして世界で行われているコンクールに出て良い成績を残したいなと思っています。
菊地美涼さん
【木】皆さん応援されているでしょうね。

周りの人に感謝

菊地私は小さいころから今に至るまで、ずっとピアノと一緒だったので、私とピアノは切っても切れない関係です。ピアノは既に私の一部分になっているのだと思います。私がこうしてピアノの道に進めたのは周りの人たちの支えがあってこそだと思います。そして、何よりも一番の協力者は両親です。本当に感謝しています。これからも支えて下さる周囲の人たちに感謝し、ピアノをずっと弾くことができればと考えています。また、ずっとヤマハ音楽教室のマスタークラスでレッスンを受けてきましたが、その教室には同年代でピアノを共にがんばっている人たちがたくさんいます。その友達と一緒にコンサートを開いたり、音楽を通して共に頑張っていける友達に出会えたことがとてもうれしく思います。

【木】温かさを感じるお話ですね。では、お友達をご紹介下さい。

菊地中学の同級生でスペインのコンクールに行くときも一緒に行ってくれた中村清良(せいら)ちゃんを紹介します。高校二年生のときに「飛び級」で大学に合格して現在建築を専攻しています。

【木】ありがとうございます。これからも益々のご活躍を期待いたします。
(海外遠征はすべて自費参加だそうで、学生らしく安い航空券を見つけて頑張っているようです。そして、留学する前にもう一度ピアノリサイタルが開けたらと、次のステップに向け準備中のようです。世界の舞台で活躍する日もそう遠くないと感じさせる方でした。




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