1997年10月5日

すっかり秋らしくなり、北の空では木々が色づいてまいりました。食欲の秋でもあり、芸術の秋でもありますが、今回の友達の輪には幸手高校三年生で情報処理部に所属されている中越美由さんよりご紹介いただきました、幸手高校教諭であり進路指導部長と情報処理部顧問をされている芸術の香り高い海老原 武先生にお話を伺って参りました。

幸手高校教諭
進路指導部長・情報処理部顧問 海老原 武さん
本紙取材 高木康夫

【高木】友達の輪に高校生初登場ということで、幸手高校の情報処理部で活躍されている中越さんに登場いただいたのですが、中越さんから顧問の海老原先生をご紹介いただきました。先生はパソコンをはじめ芸術的にも多彩な趣味をお持ちと伺いましたが?

書道を教え
パソコンに陶芸も

【海老原(敬称略)】私はこの幸手高校(以下幸高)に赴任して五年になるのですが、授業は書道を担当し、生徒達の進路指導部長と情報処理部の顧問もしています。多彩な趣味というと誤解がありますが、高校生時代からアマチュア無線やカメラなどに興味を持ち、コンピューターは昭和四十九年にはじめました。アッセンブラというコンピューター言語から入門しました。今でこそパソコンなどと呼んでいますが、当時はハードも非常に大きな物で、レジスターのお化けといった感じでしたよ。(笑い)また、私の実家が骨董屋でしたので、物心ついた頃から今流行の「お宝」に囲まれて育ちました。それが影響したかどうかはわかりませんが、書画や陶芸もしますし、掛け軸や表装なども手掛けます。

【高木】書画、骨董に陶芸ですか?

自分を表現する
自分流の発見

【海老原】幸高では毎月第三土曜日に、地域とのコミュニケーションの場として陶芸教室や表装教室などを開催しているのですが、その講師は私が務めているのです。地域から沢山の方々が参加して思い思いの作品を制作されています。特に、陶芸などは日本全国から名窒の土を取り寄せ、名産といわれる焼き物に挑戦したりしています。制作する人達の個性も豊かですから、その作品群はすごいバリエーションですね。(笑い)教えていてうれしいことですが、表現力や技術のレベルが上達し、個展を開かれる方もいらっしゃいます。一度ご覧に来てください幸高は芸術村のようですよ。

【高木】一般の講座を開催されているのですか?

【海老原】地域の要望で誕生した幸高ですから、私たちの力で地域に還元できるものがあればという考えが根本にあります。ですから、講座もインターネット(以下IN)の勉強会や陶芸などと幅広く開催しています。INのホームページ(以下HP)作成講座には十九才から七十才までの幅広い年齢層が参加していますよ。面白いことに参加者の1/4は教員の方々です。自分をアピールする時代が来たと言われますが、現在のHPなどは自己PRの最たるもので、子供たちの教育にもHP作成などを取り上げると効果を上げるものと期待しています。私個人としましても、INを教育分野に取り入れることなどの研究や勉強会などで、埼玉県内では講師をしたり、文部省や郵政省の諮問委員会に参画しています。

一緒に楽しむこと受けるよりも発すること

【高木】それはすごいですね。

【海老原】一緒になって楽しんでいるだけですよ。人間は受信しているだけではつまらないものです。情報を受けるよりも発信をすることが出来るようになると何でも楽しくなってきます。INでもそうですが、HPばかり見ていると飽きてきますが、自分のHPを作って発信をすると、楽しさが増し技術や他のものもついてきます。情報処理部の中越さんなどは良い例ですね。彼女は一年生の頃はおとなしかったのですが、今では自信もついてきて積極性も出てきましたね。陶芸などの制作も同じ事ですよ。出来た作品を外側から見ることで自信や楽しさも倍増してきます。

地域で芸術村主宰
の葛飾北斎コレクター

【高木】その感性が生徒達の能力を引き出しているのですね。

【海老原】写真、陶芸、パソコンにHPと自分自身振り返ると常に自分を表現するものに関わってきたように思います。これは、我が家でも同じです。日大芸術学部に通っている私の娘なんかは、小さい頃からカメラを持たせたこともあって、今ではアルバイトで会社のPR雑誌を作成していますよ。一眼レフやブローニーの6×6二眼レフを持って何やらやっています。個人で主宰しているHPでは「田舎の小さな芸術村」というものがあります。INで「芸術村」と「田舎」をキーワードとして検索していただければ、見つかると思います。沢山の地域の芸術家が作品を出展していますのでぜひご覧ください。それと、骨董屋ということもあって葛飾北斎のコレクターをしています。HPにも載せてありますよ。

【高木】私生活も学校生活も楽しそうですね。

大騒ぎの人生は楽し
一生懸命が大事

【海老原】「人を集めて大騒ぎしたい」という気持ちがあるのですね。家族でやっているのですが、趣味としてパラグライダーとマリンジェットをやっています。パラグライダーは筑波山の方でやっています。マリンジェットもそうですがとても気持ちがいいですよ。

【高木】若大将のようですね。

【海老原】遊びでも仕事でも勉強でも、やってみたいものは何でも一生懸命やるということが私の生き方です。おもしろい話ですが、進路指導部長をしていますので各大学のHPへリンク(HPへの接続一覧表のようなもの)するソフトを作成したのです。そうしたら、ある出版社がこれを見て欲しいというものですから、どうぞお使いくださいと言いましたら、編集権という著作権のような権利が発生してくるのだそうです。ヒット曲を出して印税が入ってくるように、編集だけでも収入が得られるなんてと思いました。ビジネスでやっていませんから自由に使ってもらいましたが、一生懸命挑戦していれば、結果は必ずついてくるものと生徒には話しています。

【高木】そうですね。それではお友達をご紹介下さい。

【海老原】私の陶芸講座の参加者でもあり、多彩な趣味の方を紹介いたします。幸手市東にお住まいの瀬田叔孝さんです。瀬田さんは現在油絵の個展を計画されていますよ。

【高木】ありがとうございました。これからも良き生徒のアドバイザーとして、また、地域芸術の発信者としてIN的にご活躍下さい。

(紙面で伝えきれないほど情報いっぱいな先生でした。埼玉県や国レベルでのHPやINに関する審議会、協議会でもご活躍されている素晴らしい方でした。)


ebisan@cyborg.ne.jp
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