梅雨も明け、子どもたちも夏休みに突入し、暑い日が続く季節がやってまいりました。夏の暑さに身体が負けないように健康には充分気をつけていただきたいと思いますが、本日の友達の輪には五霞町商工会会長福島四郎さんよりご紹介いただきました五霞町国民健康保険診療所所長である芝田佳三さんにご登場いただきます。
五霞町国民健康保険診療所 所長
医師 芝田 佳三さん
本紙取材 高木 康夫
【高木】福島さんから、親しい友人で五霞町の地域医療にご活躍と伺ってまいりました。
【芝田(敬称略)】私などを紹介していただいても、何にも面白くないのに弱りましたね。私はこの五霞地域で診療を始めてちょうど13年になりますが、その間たくさんの友人に恵まれまして、紹介頂いた福島さんもその1人です。
【高木】先生は五霞町出身なのですか?
【芝田】私は大凧で有名な埼玉県の庄和町出身で、旭川医大を卒業後、埼玉の病院、長野の病院を経て、この診療所に勤務しました。実は、出身地の庄和で将来医院を開業しようと考えていたのです。そんな時、距離的にも近いこの診療所で医師を募集していたものですから、開業の際役に立つだろうという「腰掛け」のつもりで勤務したのです。もちろん、応募のときはそんな事は言いませんでしたが。(笑い)。
【高木】この診療所の位置づけは?
【芝田】五霞町国民健康保険診療所は町立の診療所で、いわゆる町の施設で役所の出先機関です。ですから、私は地方公務員として、医師を務めているのです。そもそも、国保診療所というものは、戦後の昭和28年頃に国民の健康を願い、簡易保険制度のもと、医療費の軽減を計り国民全員が国保(税)を払う現在の国民健康保険制度が作られました。しかし、同じに加入していながらも、へんぴな所や過疎地の住民には医療施設がないため、公平と健康管理の上にも、その地域の自治体が診療所や病院を建設したのです。私が赴任した13年前はこのような病院や診療所が茨城県内に38ヶ所ありました。しかし、過疎地や田舎に多かったようで、医者になる希望者が少なく、衰退していったようです。また、開発された地域などには、民間病院が建設され利便性や設備の上で患者さんの多くが行かれるようになったのです。
【高木】この診療所はどうだったのですか?
【芝田】私が赴任した時は、赤字経営の診療所で、いくら公共の診療所とはいえ採算が合わないのでは困りますので、患者さんに来てもらえるような診療に務めたのです。私はここが地域の為の第一線の診療所という意識で、患者さんと顔と顔を付き合わせ、なんでも話せる「かかりつけ医」を目指しました。患者さんは信頼するから来てくれるのであって、原則的に病名や薬の説明などすべて情報は開示しています。おかげで3年目には黒字経営になり、時の村長が診療所のやる気を感じてくれたのでしょうか、予算を取ってくれ平成元年に現在の保険センター併設の内科、歯科を持つ診療所が完成したのです。しかし、赴任してから増え続けた患者さんの数も、13年目にして減っています。これは、ご存知のとおり社会保険の個人負担率が一割から二割に変わった事も影響していると思いますね。でも、2年後に控える介護保険制度を考えると、この診療所の役割も重要になってくるものと思っています。
【高木】医療も厳しい時代ですね。野球が大好きとか?
【芝田】今年はワールドカップでサッカーが盛り上がっていましたが、どうも、サッカーはサポーターの感覚がつかめません。私は昭和23年生まれですが、私たちの時代は野球世代なんです。もう、長嶋の大ファンで小4のころからゴムボールで草野球を良くやっていましたが、みんな巨人ファンで、長嶋ファンなんですよ。それほど、昔の長嶋茂雄は凄かったのですね。立教時代の長嶋から知っていますが、たしか、慶応の林という投手から六大学のホームラン新記録である八号を放った時もラジオで聞いていました。今でも巨人ファンであり長嶋ファンですが、面白いことに友人にはアンチ巨人ファンもいまして、巨人が負けると、ここぞとばかりにボロクソに言うのですね。ですから負けている時はテレビも見ないようにしていますよ。だからという訳でもないのですが、読売新聞しか読んでいませんね。(笑い)
【高木】ありがとうございます.今でも野球をされているのですか?
【芝田】今はソフトボールをやっています.五霞町原宿台に住んでいるのですが、ソフトボールのチームを作っています。平均年齢50才くらいでメンバーが40名位いると思いますが、五霞町のリーグ戦に出場して割といい成績を残しています.ただ、毎週日曜日の午前8時ごろから練習をしているのですが、練習に参加しないとベンチ入りさせてくれないのです。(笑い)
【高木】他の趣味などは?
【芝田】健康のために朝5時にジョギングもしますし、テニスもたまにはやっていますが、それ以上に仕事が趣味といってもいいと思います。私は人と接することが大好きで、サービス業の典型かもしれませんが、患者とのコミュニケーションが大好きなんです.診療所では患者さんとは良く喋りますね。その分、帰宅すると喋り疲れて、無口になってしまうのです.家族は妻と中3の長男に小6の長女が居ますが、オジサン的と言うのでしょうか、最近の芸能関係や若者のライフスタイルには鈍感なところがあり、家族からは「ジジイ」と呼ばれますよ。でも、ジジイの方が楽ですね。(笑い)
【高木】家族とのコミュニケーションがある証拠ですね。ではお友達をご紹介下さい。
【芝田】幸手総合病院の近くに「寿泉」という居酒屋があるのですが、そこのオーナーの飯泉国男さんを紹介いたします。ずいぶん昔のことですが、タクシーに乗った時に運転手さんに「どこか、おいしい処はないか?」と尋ね教えて頂いたのが知り合うきっかけなんです.とてもおいしいお店で、それ依頼、月に2回位お邪魔しています。飯泉さんは釣りをされるのですが、面白いエピソードも数多く持っていますよ。
【高木】ありがとうございました。
(公共的な立場で地域医療を実践され、住民サービスが基本とおっしゃるその姿は、まさにかかりつけのお医者さんそのものでした。町立でありながら経営面は独立採算らしく、これからの医療の在り方を考えさせられました。)