1998年10月18日



 本日の友達の輪には、株式会社東武自動車 代表取締役峰岸登一さんから紹介頂いた、東内科小児科医院院長 東 秀昭さんにお話を伺ってまいりました。

東内科小児科医院
院長 東 秀昭さん
本紙取材 高木 康夫

【高木】峰岸さんから親子二代にわたるお付き合いと伺ってきましたが?

【東(敬称略)】そうですね。峰岸さんとは私の父が幸手で開院したときに、往診のために車が必要で峰岸さんのお店で販売していた中古ダットサンを購入した時からのお付き合いです。ヤット購入し、ヤット走るので当時は「ヤットサン」と呼んでいたそうです。(笑い)

【高木】東さんは二代目なのですか?

【東】そうです。そもそもは祖父が熊本の出身で、上京して医療に従事しておりその影響で父が医者になったそうです。私は中学二年から高校まで陸上に夢中で、陸上の世界にあこがれていました。それと、叔父が船乗りだったので、密かに船乗りの夢も抱いておりましたので、医者になろうなんてあまり思わなかったのです。しかし、自然の流れというのでしょうか、父が医者だったということが一番の理由で私は医者の道を歩んだのです。

【高木】陸上に夢中というと?

中学二年の体力測定で
   陸上部にスカウト

【東】とても偶然な事ですが中学校二年生の時、体力測定で五十m走があったのです。その時の担任の先生が陸上部の監督で、監督といっても中学校ですから陸上の専門家ではなかったのですが、私のタイムがちょっと早かったもので、いきなり陸上部に入ったらとスカウトされたのです。陸上は短距離に代表されるように花形スポーツで、想像できないかもしれませんが、私も走ったり、投げたり、飛んだりしたものでした。特に高校では投てきに力を入れて、ハンマー投げと円盤投げでは関東大会で優勝しました。当時、全国的には投てきで鉄人と言われた室伏選手が活躍しておりましたので、特にこの種目には力が入りましたね。現在では世界の舞台で室伏選手の息子さんが活躍していますね。

【高木】夢は陸上の世界にあったのですね。幸手ではいつ頃から診察されているのですか。

往診という診察方法と
     地域医療

【東】父親が元気に診療をしておりましたので、私は大学病院に勤務し、都内と埼玉県本庄の病院で診療にあたっておりましたが、親が元気なうちに往診を柱とした地域医療を継承しようと思い、八年前に幸手のこの医院に戻ってきました。

【高木】医療最先端の大学病院から戻られてどうでしたか?

【東】最先端の医療というのは細分化が進んでおり、ある意味では専門職化しています。ところが現在のような診療形態の地域医療では、患者さんの性格や家庭環境までもを念頭に置いた診察が必要になるケースが多いのです。したがって、どちらかといえばオールマイテイな診察が求められます。特に高齢化社会になっており、往診は高齢者の方がほとんどです。もちろん、若い方もおりますが、寝たきりの方や通院できない方がほとんどです。

【高木】地域医療のスーパーマンですね。

愚痴も聞くし
    話し相手にも

【東】そんなことはありませんが、専門医業が求められないかわりに、浅くとも広い知識が必要なことは事実ですね。往診は一人で行くことが多いのですが、ドクターバッグに器材を詰め込んで、患者さんとの時間を大切にしながら診察してきます。時には患者さんの愚痴を聞くこともありますし、話したりお茶を飲んだりは日常的ですね。とても感激したことですが、長い間往診で診察してきた高齢な方がご自宅で亡くなられたのです。すると、ご遺族の方々から、「ありがとうございました」と言葉をかけられたのです。ご遺族曰く、往診では患者さんの性格まで判ってくれ、励まされながら自宅で生涯を全うしたことが本人にとってどれだけ幸せな事だったか、とおっしゃるのです。私はこの時、地域医療の価値感を感じたような気がしたのです。そして、これからも往診の役割を認識して地域医療に関わっていきたいと思っております。

【高木】診察時間は?

【東】日曜、祭日及び第二、第四木曜日は休院です。それ以外の平日は午前八時半〜昼十二時と午後四時半〜午後六時までが診察時間です。また、往診時間は午後一時半〜午後四時までです。また、第一、第三、第五木曜日は予約検査だけの診察です。

【高木】そうですか。趣味は?

おいしい空気に
    すばらしい景色

【東】ゴルフが趣味のひとつだったのですが、最近、湿原や山野草に興味があります。この間も夫婦で開通したばかりの雁坂トンネルを使って西沢渓谷へ行ってきました。妻も一緒に仕事をしており、家事に母親業も兼務していますので、リフレッシュするにはとても良い散策です。登山靴に杖と食料を持って三時間半ほど山歩きをしました。日帰りでしたがおいしい空気にすばらしい景色、そして散りばめられたような山野草の数々を堪能してきました。夫婦でゴルフもしますが、湿原や渓谷をマイペースで歩くほうが楽しいですね。河口湖や那須など割と近場にも素敵な場所がいっぱいあります。カメラでも持参して写真に納めてくれば後でも楽しめるのでしょうね。今ではパソコンとデジタルカメラを使って山野草のアルバムでも作れたらと思っています。ただ、性格なのでしょうか、なんでもチャレンジするのですが、ものになったことがないのです。(笑い)

【高木】たくさんの方がパソコンにチャレンジされていますね。

パソコンにデジカメ
  なんでもチャレンジ

【東】私も仲間内では電子メールでやり取りはしています。山野草のアルバムと同様にデジタルカメラを使って、日本酒の銘柄ラベルをコレクションしていきたいと考えております。なかなか、面白いと思いませんか。コレクションしたさに飲み過ぎにならないように注意しなければなりませんね。(笑い)

【高木】すばらしいコレクションになるのではないでしょうか。完成の暁にはぜひ見せてください。ではお友達を、ご紹介下さい。

【東】高校時代のバトミントン部の監督で、定年退職されたあと栃木県の星野遺跡で有名な星野の里に畑を持ち、その畑で家庭菜園をしている中五丁目にお住まいの唐沢清一さんを紹介いたします。私達の仕事には定年がありませんので、唐沢さんの生き方は私の理想でもあります。私にも定年があったら、週に三日間働いて残りはいろいろな事をやっていくと思います。

【高木】ありがとうございました。これからも自然に囲まれて素敵な家庭を築いてください。

(とても明るく楽しい方で、大きな病院から地元に戻り地域医療に取り組む姿は、地域の掛かり付け医といった感じです。忘れかけていた往診の大切さをふと思い出しました。)

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