今年の桜まつりも各地でにぎわい、権現堂の桜もひときわ輝いていました。春は花が一番と思う今日この頃です。さて、本日の友達の輪には結城つむぎ工芸士の手嶋ゆかりさんからご紹介いただいた幸手市中にお住まいで杉戸の彰華学園などでアートフラワ講師をされている矢代悦子さんにご登場願います。
彰華学園・東武よみうり文化センター
講師 矢代 悦子さん
本紙取材 高木 康夫
【高木】手嶋さんが結城つむぎの世界に飛び込もうと思っているとき、両親をはじめ身内からも反対されていた中で、唯一賛成して励ましてくれた方と伺ってまいりました。手嶋さんの同級生のお母さんとのことですが?
【矢代(敬称略)】ゆかりちゃんは娘の中学時代からの親しい友達で、我が家にもよく遊びに来ていました。素直ではにかみ屋のゆかりちゃんが、社会人になり、本当に好きな仕事に出会って、修行時代からは、別人のように輝きはじめました。今では立派に結城つむぎの工芸士として活躍され、とても誇りに感じます。先月、羽生に嫁がれましたが、結婚してからも、ずっと、娘と一緒に応援団員で居ります。
【高木】色々なところでアートフラワーの講師をされているそうですが?
【矢代】専業主婦の私が人との出合いの中で「青天の霹靂」みたいにアートフラワーを教えさせていただいています。アートフラワーについては五十年の歴史を持つ飯田深雪先生が創作し、今は長女の倫子先生が主宰する深雪アートフラワースタジオで師範のライセンスを取得しました。現在は杉戸町にあります彰華学園で非常勤講師と東武よみうり文化センターで講師をさせていただいております。どの教室でも、背中をトンと押して前へ出して下さる方と出合い、生徒さんたちに助けていただきながらやっています。出来上がったものをみると、難しいように思うのですが、少しづつの積み重ねで誰にでも作れるものです。趣味も多様化して、手仕事をなさる方が年々減っています。自分の手の中で花を育てるつもりで花作りの楽しさを味わって欲しいと思います。男性も作って欲しいと思います。彰華学園では男子生徒もアートフラワーを作っています。本部教室には男性の先生もいらっしゃいます。
【高木】アートフラワーと言っても本当に精密にできていますね。
【矢代】機械化が進み、なんでも機械に置き換えられる時代ですが、アートフラワーは人間の手でしか出来ないことです。今手がけている中に細かいものですとキャッツウイスパー(ネコのひげ)というお花があります。その名のとおりうす紫の小さな唇形花弁がネコのひげのようなものと一緒に輪生に咲いています。この種のアートフラワーは実物の花をばらして、花弁一枚一枚の型紙をとって、染料で実際の自然の色を着色し、電気ゴテで形を作ります。それらをまとめてひとつの花が完成するのですが、手先が細かな仕事ですから、テクニックが難しければ難しいほど達成感があります。
【高木】市内の講座もお持ちとか?
【矢代】北公民館の講座で体験するだけでなく、何か形として残るものをと声を掛けていただき、講座からスタートして現在は秋桜会というクラブになっています。毎月第1、第3火曜日の午後1時から3時の間、北公民館でアートフラワークラブを開催しています。幸手市の文化祭などに作品を発表していますが、以前は20名以上の方々がいらしたのですが、現在は五、六名です。アートフラワーをやってみたいと思っている方が、ちょうど、転勤や家庭の事情で続けられない年代なのですね。小人数のほうが教える上ではいいのですが、個人の負担額が増えてしまうので、もう少し人数が多いと楽しいだろうなと思っています。見学は自由ですから、どうぞ遊びにきて下さい。
【高木】子育てと言えば、地域で民生委員として主任児童委員をされているそうですね。
【矢代】子供を取り巻く生活環境が悪化して、子供自身はもとより手助けを必要とするご両親がいらっしゃいます。その方々の為に公、私的な相談所や病院の紹介、学校との連絡、その他、緒々の事を、民生委員さんと一緒に応援手助けをする公的なボランテイアが主任児童委員です。幸手市には子供の健全育成を目的とする機関が複数ありますが、全体の把握が出来ません。ネットワークが出来てその機関全てが一目瞭然となれば、どんな悩みの時はどこへ行けば……と判りやすくなると思うのですが。
【高木】なるほど、ぜひ、実現させて下さい。夢などは?
【矢代】夢でしょうか?生き方でしょうか?「貴女と出合って良かった」と言われるような人間になりたいと思っています。古い話ですが、中学時代に生徒会長に立候補している同級生が「この学校の生徒で良かった、といえるような生徒会を目指します」とスピーチしました。この言葉を聞いたときに、生徒会長はこの人に決まるだろうなと感じたくらいですから、自分の耳には刺激的なフレーズだったのですね。それ以来、貴女と出合って良かったと言われる人間を目指しています。(笑い)実際はドジな私をささえてくれる友人達に、私が「貴女が居てくれて良かった」という事が多いのですが。
【高木】すてきなフレーズですね。それでは、お友達をご紹介ください。
【矢代】主任児童委員を通じて知り合えた本澤先生をご紹介いたします。本澤先生は市役所の家庭児童相談室の先生です。日々熱き想いを胸に、子供たちの幸せのために働いていらっしゃいます。
【高木】ありがとうございました。これからもアートフラワーの講師として、また、主任児童委員としてご活躍下さい。
(すべてにおいて、出合いがご自分の人生を一歩前に歩ませ、50を過ぎた今、やっと自分らしく生きているような気がするそうです。繊細なアートフラワーの中に豊かな経験が感じられる方でした。)