新年度に入り二週間が過ぎました。眩しいばかりの桜の花から、活き活きとした新緑の若葉に移るように、新しい生活に慣れた子どもたちも元気な笑顔で輝いています。本日の友達の輪には、アートフラワー講師の矢代悦子さんからご紹介頂きました幸手市家庭児童相談室相談員の本澤洋子さんに登場頂きます。
家庭児童相談室
本澤 洋子さん
本紙取材 高木 康夫
【高木】矢代さんから「日々、熱き想いを胸に、子どもたちの幸せのために働いていらっしゃる方」とご紹介いただきました。本日は宜しくお願い致します。早速ですが、家庭児童相談室(以下家児相)という所はいつ設置されたのですか?
【本澤(敬称略)】家児相は核家族化が進み、少年少女の非行が出はじめた昭和三十年ごろ、その根本は家庭にあるとして厚生省が家庭への支援の場として全国の市政地に設置したもので、幸手市には市政施行された昭和六十一年十月に設置されました。それ以前は栗橋町、鷲宮町等と一緒に埼葛福祉事務所に設置されており、相談員が出向いて相談にあたってました。
【高木】厚生省の管轄なんですね。勉強不足でして家児相の存在を知りませんでした。
【本澤】子どもに関する相談所は教育相談所や各学校にさわやか相談員などが設置されてますが、これらは学校と直結しており文部省管轄となってます。知名度も高く、多くの方々に認知されており、とてもうらやましく思ってます。それと、家児相では対象が〇才から十八才までの子どもたちに関しての相談を受ける事になっており、守備範囲も広いものですから、この機会に多くの方々に存在を知って頂ければと思ってます。
高木 高校生も対象ですね。主なお仕事は?
【本澤】家児相では「あなたの子育て応援します!」というキャッチフレーズでご案内をさせて頂いてますが、子育てで悩む保護者にその悩みを相談員が一緒になって考えたり、アドバイスしたりしてます。相談内容も、言葉や発達の遅れなど身体のこと、しつけや家庭内のことのような生活習慣、また、学校に行きたがらない、友達と上手に遊べない、いじめがあるのでは、といった学校関係の事など幅広く応じています。相談室は幸手市役所内にあります。相談は毎週月曜から金曜の午前九時から午後四時までで、電話相談もお受けしてます。もちろん、相談の内容などについての秘密は守りますし、相談は無料ですから、どうぞお気軽にお出かけ下さい。また、毎月のように市内の公民館や児童館を利用して出張相談も行なっております。五月六日(木)は西公民館で午前十時半から午後三時まで出張相談室を開設してますので、お近くの方はお越しください。
【高木】以前は先生だったとか?
【本澤】小学校の先生を四十二年間勤め退職しました。高校を卒業してからの進路に悩んでいた時、近所に住んでいる校長先生の奥さんが、教員が足らない時代でしたから「教員試験でも受けてみたら」と、アドバイスをしてくれました。それで、試験に合格して先生になりました。当時は私と同じように「先生でもなるか、先生しかないか」という先生が多く、意識が感じられなかったのでしょうね「でもしか先生」なんて呼ばれました。(笑い)ですから、先生になってからが大変でしたね。なにしろ私は音楽が苦手で、楽譜が読めなければ、ピアノも弾けないのですから。毎日仕事が終わってから音楽室に行って二時間のピアノ練習をしました。なんとか、夏休みが終わる頃までに二曲ですが簡単な伴奏が出来るようになりました。実は九月に杉戸小学校で音楽会に出演し、伴奏をしなければいけなかったのです。いよいよ、発表会の当日、滑り出しは良かったのですが、途中で指が動かなくなって、伴奏が止まってしまいました。子どもたちは伴奏なしに歌い続けてくれましたが、頭の中が真っ白になった思い出があります。ピアノと楽譜の克服には八年くらいかかりましたが、やれば出来るものと感じました。
【高木】春日部の小学校時代には吹奏楽団で全国制覇をしたとか?
【本澤】音楽が苦手な私がいつのまにか音楽専科の先生になってしまうのですが、春日部の谷中小で吹奏楽部を作り、主体性の強い子どもたちの力で猛特訓が行なわれ、TBSラジオ主催の子ども音楽コンクールに参加しました。昭和五十年から挑戦し昭和五十三年に全国一になりました。今でも当時の教え子たちと交流がありますが、この影響があったかどうかは計り得ませんが、演奏家や作曲家になった人もおります。
【高木】すばらしいですね。趣味や夢などは?