1999年10月24日



収穫祭や秋祭りといったイベントが各地で開かれ、山々は紅葉を迎え行楽シーズンまっさかりの今日この頃です。読者の皆さまにご愛読いただいております友達の輪も平成八年一月一日号からの企画ですが本日でついに九十九人目を迎えることになりました。本日の友達の輪には幸手山岳会会長の永沼勇さんからご紹介いただきました幸手市バスケットボール連盟会長の小森谷幸治さんです。

幸手市バスケットボール連盟
会長 小森谷幸治さん
本紙取材 高木 康夫

【高木】不動岡高校学友会の幸手支部長をされていると永沼さんから伺いましたが。

【小森谷 (敬称略)】永沼さんに副支部長をしていただいてます。平成元年に不動岡高校の創立百周年をきっかけに母校の学友会から幸手をまとめてほしいと要望され、卒業生に声をかけて幸手支部が誕生しました。現在、創立百十三年を迎え、幸手市内に十九才から八十才までの卒業生が三百五十人くらいおります。学友会はおもに懇親が目的で、母校の教員を招いて総会を行なったり、年に一度親睦旅行を行なっています。七つの支部があり本部の学友会会長は元埼玉県副知事の立岡さんがされております。ちなみに初代会長は前埼玉県知事の畑やわらさんでした。

【高木】市内にたくさんの学友会員がいらっしゃるのですね。小森谷さんは書家とも伺いましたが?

おじが
権大僧正

【小森谷】私の母方はお寺で、母の弟、つまり私のおじですが、やはり僧侶でした。そのおじが、宗教の世界では役職をもっていた人で、徳川家の本山でもある浄土宗知恩院において、全国各県で一名ほどしかいない宗会議員と呼ばれる宗派運営のための全国的な役員のようなものになっていました。当時、務めとして芝の増上寺で権大僧正といいまして、会社などの一般的な組織で言えばナンバー2の職責を負っていました。自宅と寺は幸手にありましたので、芝の増上寺には通勤しておりましたが、仕事がら書きものが多く、幸手松石のおじの寺に遊びに行くといつも書きものをしているおじがいました。

【高木】すごい方だったのですね。

寺が遊び場
見よう見まねで

【小森谷】当時は遊ぶところもあまり無く、私にとっての遊び場はおじの寺だったのです。本当は、お寺にはお供え物やいただき物など、おいしいものが必ずあって、子供心でなにか食べられると思っていたのでしょうね、そんなこともあって、ひまがあればいつもおじのところに遊びに行っていました。もの心がついてきて、おじの書をする姿を見ているうちに、習字ってすごいなあと思い、自分でも何か書きたくなってきて、見よう見まねで筆を持ちました。小学校の三年生ぐらいでしたか、筆の扱いが上手になってきたのをおじが見て、何か書かせてみようと、色々な書の本の資料を書かせられたのです。この手の文書はコピーなどが使えないので同じものを五、六十枚も書くのです。汗をかきながら書いた覚えがありますが、だんだん、上達してきておこづかいをもらえるようにまでなりました。(笑い)

【高木】趣味と実益ですね。おじさんが先生だったのですね。

我流から本格的に
若くして師範免許

【小森谷】手本となるものを見て、書いていただけでしたから、まったくの我流でした。教員を目指していた二十一才の学生の時、我流ではまずいなと感じ正式に習いだしたのです。幸手市内で中村素光先生の師事を仰ぎ、三十六才のとき日本書道連盟の師範免許を取得し、翌年、群鵞書道院の師範免許を取得しました。当時、幸手中学校の教員をしており、私の専門は書道にはまったく関係のない体育と社会でした。どちらかと云うとスポーツが大好きな体育会系のキャラクターでした。ですから、日本書道連盟から師範合格の連絡が学校に入り、学校長が授業中の教室に喜んで飛び込んできた記憶があります。学校長から「文武両道だな」と誉められたことが印象深く残っております。今でも、西公民館で夜一日、昼二日の週三日講座を開いています。ご希望の方がいらっしゃいましたら、どうぞ、西公民館にお問合わせ下さい。それと、幸手市文化団体連合会の副会長もしているのですが、十一月五、六、七日の三日間ですがアスカル幸手で文化祭を開きますので、多くの作品が展示されますから皆さまお越しください。

バスケットをこよなく愛し
連盟創設

【高木】ずいぶん若く師範になられたのですね。バスケットボール連盟でも会長をされてるそうですね。

【小森谷】そうですね。先ほどもお話したとおり体育の教員ですから、スポーツはなんでもしました。特にバスケットは学生時代から熱中したスポーツで、その関係で幸手に連盟を作った時からずっと会長をさせられています。今はバスケットボールもNBAなどの影響で愛好者も増えましたが、設立当時はまだまだメジャーではなかったのですが、それでも、幸手においてバスケットボールは盛んな方でしたね。連盟としては市民大会をメインに活動しています。先週の日曜日の十月十七日には県大会がアスカル幸手で開催されました。現在、連盟には幸手市在住在勤の四十名ほどの会員がおり、それぞれ、チームをつくってゲームを楽しんでおります。

【高木】それでは、お友達をご紹介ください。

【小森谷】幸手バスケットボール連盟を創設した時から関わっており、現在、副会長を務めている梨本燃料店の梨本富蔵さんを紹介します。連盟の実質的な運営はほとんど彼がやってくれているようなものですよ。早く会長職を交替してくれと云っているのですが、なかなか降ろしてくれません。(笑い)

【高木】ありがとうございます。目前に迫った文化祭の成功をお祈り致します。

(文武両道とひとくちに言っても、なかなか見合う方にはお会いできませんが、小森谷さんはまさにそのお手本といった方でした。年齢には思えない若さで、健康の秘訣を伺うと、忙しく過ごしながらも、暴飲、暴食をせずに早寝、早起きと返ってきました。今ではご自分で作られた野菜を召し上がってより健康的な毎日をおくられているそうです。さて、小森谷さんから紹介いただきまして、次回は記念すべき百人目の登場です。)

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